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先達から受け継いだ『やってみよう!』の精神で、社会課題に取り組む。アバナード関西オフィス・大北真之&小林直樹

こんにちは! アバナード株式会社コーポレートシチズンシップリードの日野紀子です。今回は、関西オフィスのコーポレート シチズンシップ活動(以下、CC活動)を推進している、才能あふれる二人のエンジニアをご紹介します。

以前こちらのnoteでもご紹介した、バス内の子ども置き去りをなくすIoTバスのシステム開発や、視覚障がい者の災害時の対応をサポートするChatGPT点字変換サービスの開発に携わった大北真之さんと、障がいの有無を問わず、災害時に避難場所へと誘導する新アプリ「AI避難支援アプリ」のシステム構築を担当した小林直樹さん。お二人はいま、積極的にソーシャルイノベーションの創出に取り組んでおり、普段の業務や、自分の価値観にもポジティブな影響があったと話します。活動に対する思いをインタビューしました。


誰よりも早く動き、新しいツールの社会実装を目指す

普段は企業のローコードツールの導入支援や技術面のサポート、生成AIの活用支援などを行っている二人。エンジニアとして働くうちに自然と身についたのが、「やりたいことを自主的にやる」という積極的な姿勢でした。

大北「新しい情報を入手して、新しいツールをまず自分が最初に使ってみる。誰よりも早く取り組んでいかないと、仕事のチャンスが巡ってこないんです。人より先に取り組んでいると、いざ新しいツールを使ったプロジェクトが立ち上がった時に、『そういえば大北がこのツールに触っていたな、じゃあ誘ってみるか』と、声をかけてもらえるチャンスが増えるんです。

関西オフィスのメンバーはジョインしたときから、『こういうことをやりたい』という思いに『いいね!』『やってみよう!』と前のめりで反応してくれて、そういう雰囲気が魅力だなと感じています」

二人が最近取り組んでいるのが、災害時の避難場所をAIが指定し、地図アプリと連動して避難場所まで誘導するアプリの開発です。外出先や旅先など、慣れない土地で地震や津波、火災などの災害が発生した場合の適切な避難場所への移動をサポートします。

大北「ChatGPT点字変換サービスを作った後、防災に詳しいメディアの方とお話しする機会があり、その際に『大きな災害が起こった時は、障がい者だけではなく、ハンディキャップのない人でもすぐに適切な避難の判断をするのが難しい』という話を聞きました。実際に、誤って津波が来ている方向に逃げてしまった人の事例なども聞いて、もっと間口を広げた避難誘導のシステムの必要性を感じ、障がいの有無を問わず、全年齢の人を対象にしたサービスを作ろうと思いました」

3月に行われたAI避難支援アプリの実証実験の様子
マップの誘導に従い、避難場所まで移動する。
電柱やコンクリートの塀など、災害時に注意したい設置物を確認しながら歩いた
マップのルート案内の画面

小林「大北さんが開発プランを構想し、私がアプリの開発を担当しました。複数の社員や、ある自治体の副市長にもご協力いただきデモンストレーションを行い、外国人観光客や日本語話者以外の方にも利用してもらうためのマルチ言語機能や、視覚障がい者の方に情報を届けるための音声ガイド機能などが必要というフィードバックをもらいました」

大北「アプリのベースの部分は1か月ほどで小林さんに作ってもらい、言語や音声ガイド機能などを盛り込んで、2024年3月に都内で実証実験を行うことができました。一般社団法人 防災教育普及協会さんにもご協力いただき、防災のプロの視点から有益なアドバイスをたくさんもらい、とてもありがたかったです。修正を重ね、いずれは国や自治体と連携して、さらに便利で使いやすいツールにしていきたいと考えています」


普段の業務やプロジェクトとは異なる、コーポレート シチズンシップ活動のやりがいや手応え

これまでも大阪府河南町でのこどもの送迎バス閉じ込め対策デバイスの実証実験やChatGPT点字変換サービスなどの開発に携わってきた大北さん。CC活動に実際に取り組んだことで、自分の考え方や視点にどのような変化があったのかを聞いてみました。
 
大北「一度活動に参加したことで視野が広がり、それまで見えていなかった社会課題がたくさん見つかりました。一方でCC活動に取り組める時間は限られているので、時間を確保するために、同じチームのメンバーを育てて、日常業務の効率化を進めました」
 
小林「正直、取り組む前は慈善活動のイメージが強かったのですが、テクノロジーありきのCC活動でも良いのではないかと思うようになりました。テックやものづくりが好き、という思いが先にあって、じゃあこの社会課題に技術を生かせるのではないか、と動くことも全然悪いことではないのだと、CC活動自体のイメージが自分の中で変わりました」

CC活動では社会課題をどのように解決していくのか、ロードマップを作る裁量がすべて自分たちにあります。その点が大きなやりがいだと二人は話します。

大北「通常の業務はお客さまと契約した時点で、だいたいのやるべきことというのが見えてきます。その範囲内で工夫を凝らしますが、契約の範囲から出ることはありません。一方で自主的に取り組む活動については、課題設定からその後のロードマップも自分たちで決めることができます。そこがCC活動の醍醐味だと感じています」

小林「エンジニアの普段の業務は、外からは見えない裏方の仕事が多いのですが、CC活動や作ったツールは、いろいろな人の目に触れ、ユーザーと直接コミュニケーションできる可能性があるのがうれしいですね。実際に開発したアプリを社内外の多くの人に使ってもらい、普段の業務とは異なる手応えを感じました」

(左から)小林直樹さん、大北真之さん


社内外に取り組みを伝え、意欲ある仲間を見つけたい

テクノロジーを使って社会課題に挑戦する中で、CC活動を社内外に発信していくことの大切さを強く感じていると大北さんは話します。

大北「大阪での送迎バスの実証実験は、社内のSNSで発信したところ『いいね』や共感のコメントが世界中からたくさんきたんです。素直にとてもうれしかったですし、モチベーションになりました。知ってもらうことで輪を広げ、CC活動の仲間を増やすことが大切だと感じています」
 
小林「発信していくことで社内で新たなつながりができるのがとても面白いですね。普段の業務だけでは、どうしても社内で関わる人が固定されてきてしまうので、担当プロジェクトを超えていろいろな人と関わることができるのがうれしいです。アバナードには面白い人がたくさんいるのだなと知りました」
 
大北「今回の避難誘導アプリの実証実験もメディアの方に取材していただきましたが、コーポレート シチズンシップ活動を通して社外に自分たちの活動をアピールしていくことは、新しいつながりを作ったり仕事を獲得したり、エンジニア個人としても会社としても、意義が大きいのではないかと思います。
 
今後は自分たちが先頭に立って、関西オフィスの先輩たちから受け継いだ『とにかくやってみる』の精神を、後輩たちに引き継いでいきたいと考えています。エンジニアとしての知見を社会課題の解決に生かしたいという意欲がある人に、ぜひ参加してもらいたいですね」

大北 真之(おおきた なおゆき)/マネージャー
2022年、アバナード入社。主にPower Platform、生成AI、IoTを使った案件に従事。アバナード社内でのPower Platform講師やお客様組織へのPower Platformの導入支援、Azure OpenAIを使ったシステム開発/技術支援の経験を持つ。
プロジェクト業務の傍ら、広報/採用活動の一環として、TECHPLAYでAI EXPOやブログなどでの情報発信を行っている。
直近では、生成AIに関する執筆活動のPM/技術章の取りまとめ/技術章(5章のうち複数の節)の執筆担当を兼任し、2023年12月25日に書籍『Azure OpenAI Service実践ガイド』を出版。
 
小林 直樹(こばやし なおき)/シニアコンサルタント
2021年5月、アバナード入社。生成AIを活用した開発や導入を支援する業務の傍ら、自身が立ち上げたGenerative AI 勉強会 関西というコミュニティー(Connpass)やTECH PLAYで登壇し、知識とワクワクを広める活動を展開中。IDEACTIVE JAPAN PROJECTではメンターを務め、指導したチームがエンターテインメント部門で優勝。AIを活用した防災アプリでNHKの取材も受ける。


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