【FFオリジン】2023年ゲーム感想 【STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN】
はじめに
2023年ももう終盤ですね。
私事ですが、4月にFF14というゲームから解き放たれた僕にとって、たくさんのゲームをプレイすることができるようになった年でした。せっかくなので、ゲームの感想をいろいろ書いていけたらと思っています。
第一弾として、衝撃だったタイトル「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」を紹介します。
「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」、カタカナだと「ストレンジャー オブ パラダイス ファイナルファンタジー オリジン」です。長すぎます。以下、「SOPFFO」と表記させていただきます。一目でクセのあるタイトルだとわかりますね。FFオタクらしく表現するなら、ノムリッシュ全開といったところ。
PS版は2022年に出ていました。僕はPC(Steam)でプレイしたので実質2023年のゲームということにさせてください。
2022年時点でタイトルとしては認知していて、ちょっと気になってはいたのです。しかし、エルデンリングと発売が被っていたこともあり、見送る形になってしまっていたタイトルでした。
そして時は流れ2023年、FF16が発売された7月ごろ、同じ「アクションゲームのFF」として(一部で)引き合いに出されて語られていたこと、その直後Steamサマーセールの対象になっていたことが重なり、FF16がPCでリリースされない事への腹いせのような気持ちで購入する運びとなり、これがプレイするきっかけとなりました。
評価点
FFマニアにはたまらないストーリー群
簡単に言えば「ファイナルファンタジー1の再構成」みたいなシナリオです。FF1のエンディングでは、「光の戦士」の正体が明かされるわけなんですが、では「ガーランド(=カオス)」とは何者だったのか?という切り口から展開されるストーリーになっています。着眼点が面白いです。
思えば「ディシディア ファイナルファンタジー」もFF1に繋がる物語でしたし、野村哲也氏はFF1が好きなんでしょうか?
ゲームシステム的にはワールドマップからステージを選んでミッションを攻略する、というタイプになっており、各ステージはFFナンバリングタイトルのダンジョン等をモチーフとしたデザインになっています。ファンサービスの極みですね。オンラインタイトルであるFF11、FF14からもしっかり選出されているところ、本当に"ガチ"感があります。BGMもデザイン元のアレンジ・バージョンになっているのですが、一部フレーズがふわっと盛り込まれているといった程度の控えめなものになっています。お上品な感じです。
当初は「ストレンジャー オブ パラダイス」という新規タイトルとしてリリースする予定だったらしいので、その辺の意図も含んだアレンジなのかもしれませんね。
Team NINJA(コーエーテクモ)監修の上質なアクション
FF×アクションの一つの到達点だと思っています。ジョブシステムのあるFFをアクションゲームにするならこれがベストの形でしょう。ジョブシステムと武器システムの落とし込み方が素晴らしいです。
全体のシステムとしては、アクションRPG + ハクスラです。ただし、本格的なハクスラは本編クリア後から始まる、といった具合です。
ジョブ・武器を選択し、装備を集めながら自分のプレイスタイルに合わせてビルド(=スキルセット)を組んでいく。火力特化型にも、持久戦型にもできます。僕は最終的に持久戦寄りのビルドに落ち着いたのですが、Youtube等でヘイスト+火力特化のようなビルドの動画を見てみると「別ゲーか?」と思うほどの差がありました。
また、ブレイクゲージという「SEKIRO」の体幹システムみたいなものがあり、敵のゲージを貯めればソウルバースト(=忍殺)を決められますし、逆に自分のゲージが壊れたら体勢を崩されます。まあ、ほぼSEKIROみたいなものです。
敵の攻撃に対してこちらの行動の択が多いのも良いところです。回避・(ジャスト)ガード・カウンタースキル等は基本ですが、それらに加えてもうひとつ、前述のブレイクゲージを消費する「ソウルシールド」が特徴的です。ソウルシールドで攻撃を受けた場合、攻撃を無力化し、更にMPを回復します。アビリティや魔法はMPを消費して実行するため、「MPの確保とやりくり」がかなり重要なポイントになります。このシステムがなかなか個性的で面白い。MPのやりくりという要素はクラシカルなRPG的でもありますよね。ちなみに、ビルド次第ではソウルシールド以外での最大MP回復も可能です。
仁王に似ているというレビューを見かけたのですが、仁王シリーズは未プレイなので気になるところです。ぜひ触ってみたいですね。
問題点
ストーリーもアクションも良いって欠点ないじゃん!と思った方、その通りです。正直言って僕はこのゲームを激推ししたいんですが、致命的な問題点がいくつもあります。
シナリオを楽しむためのハードルが高すぎる
まず、このゲームのシナリオを楽しむためには最低限「ファイナルファンタジーI」の知識が必要です。まあ、クリア後にFF1をプレイするのも一興ではあるのですが、そもそもSOPFFOがFF1の知識を前提に進んでいく節があるので、ところどころで「?」が浮かぶことになると思います。
更に、フィールドなどの小ネタを拾うためには「ファイナルファンタジー」シリーズの知識も必要です。しかも生半可な知識ではダメです。ナンバリングタイトルは大体知っていないといけないし、できればDFFの知識もあった方がいい。もはやマニアの領域です。FF8から選出されたステージが「炎の洞窟」なのがすべてを物語っている。あまりにも濃すぎます。「シナリオが電波すぎる」というレビューをちらほら見かけたのですが、電波というよりは理解して楽しむために必要な知識が多すぎるんですよね。
ターゲット層が謎すぎる
前述の通りシナリオを楽しめるのはFFマニアみたいな人間だけなのですが、それでいてゲーム性はガチガチのアクション、何なら死にゲー(ソウルライク)に寄っているわけです。FFマニアとアクションゲーマーを両立している人間がこの世に何人いるんだという話です。しかもそこにビルド+ハクスラ要素も付いてくる。いや、ゲームとしてはもちろん面白いんですけど、こうなってくるともう誰が、どういう層がターゲットなのかわからない。最早インディーズゲームみたいな属性の盛り方なんですよ。
パーティ一行のビジュアルがヤバすぎる
昨今のゲームにおいて、主人公ないしパーティメンバーのビジュアルってかなり重要なファクターだと思うんです。しかし大多数の方々はこのゲームのキャラクターを見て「なんだこいつら」という感想を抱くでしょう。無理もないです。巷ではラーメン屋の店主とバイトとか言われているようで、誰が呼んだかFFラーメン。その名は伊達ではない。最終的には好きになるかもしれないけど、第一印象が致命的に悪すぎます。
「NieR:Automata」とかを見てください。美しい女性型アンドロイドがスタイリッシュにアクションを決める、これに惹かれない人間がいるんでしょうか?いないでしょう。対してこちらはこの松本人志みたいなおっさんがモンスターを暴力的に、あまりに暴力的になぎ倒していく。めちゃくちゃです。もちろんそこも魅力でもあるんですが、最初からそこに惹かれる層がどれだけいるんでしょうか?
発売日がエルデンリングと重なっていた
致命的です。僕もこの理由で発売当初プレイしていませんでした。ただ、これに関してはPC版を待っていたという側面もあります。SOPFFOに限らずスクウェア・エニックスのタイトル(主にFFシリーズ)はPC版を出すのが遅すぎます。FF16もPS5専売でしたしね。FF7Rebirthも楽しみにしているんですが、初動はPS5専売らしく残念です。昨今のゲーム販売におけるPCの市場はかなり大きくなっていると思うので、見直してほしいところですね。
おわりに
あんまり売れてないらしいです。本当に悲しい。しかし安易におすすめできるタイトルではないことも確かです。どんどん悲しくなってきました。
もしSteamやPSのセール対象になっていたら、是非手に取ってみてほしいです。できればDLCも。
SOPFFOをプレイして、できればピクセルリマスター版のFF1までプレイして、ガーランド…いえ、ジャック・ガーランドとその一行の旅に思いを馳せてみて下さい。"マジ"でストーリーが本当に良いです。
クリアしたとき、あなたはきっとジャック一行が好きになっているはずです。
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