[今日の薬膳茶] 緑豆で夏の準備
5月5日のこどもの日に二十四節気の「立夏」を迎えました。暦の上では夏。あっという間に春は終わり、夏や梅雨の準備到来です。
「口の苦味」をこの春から味わってきた私は、日々の養生・薬膳茶で「緑豆(りょくず)」を煮てその煮汁(上澄みの汁)を飲んでいました。
「口が苦い」を解消するのが緑豆
「口の中が苦い」これは体内に不要な熱がこもっている時の代表的な症状です。私自身、2月頃から口の中の苦味がなくなるとまた苦くなるを繰り返しており、先日の記事の『金針菜のきんぴら』と並行して湿熱対策をとり続けています。
実はこの「湿熱」というのが厄介なものなんです。
「湿熱」って何?
「湿」の性質はネバネバと粘りがあり、動きが鈍く停滞しやすいとあるようで、身体だと胃腸トラブルや水の代謝トラブルになりやすいと言います。
更にそれが熱化するのは、梅雨のような気候要因もありますが、ストレスで五臓「肝」の巡り(疏泄作用)が悪くなり「気」の流れがダウン、それが湿熱と化すこともあります。これは、溜まった不要な水分が流れや巡りに乗れずそのままずっと同じ場所に停滞し続ける、そういうイメージです。
私には立春から少々ストレス事象があったので、この巡りの悪さが要因で口の中が苦い状態が発生したと弁証しました。それで、「緑豆」が登場です。
まずは緑豆茶で「湿」を取り除く
なかなか自分の体調不良の原因が分からない日々でしたが、「緑豆」の余分な熱を冷まし不要な水分を取り除く作用が現状ベストだということで、まずは「緑豆茶」で養生スタートしました。
身体が熱っていたり、口が渇き続けていると、まずは「熱」を冷ましたい衝動に駆られるのが当然。しかし、口の苦さという症状が長く続いていたことから、「湿熱」対策として、まずは「湿」を取り除きその後「熱」を冷ます順序がポイントです。
なぜ、「湿」→「熱」の対策順序がベストなのか? それは、最初に「熱」を冷ましてしまうと、停滞している「湿」(水分)がそのまま冷えて固ってしまい余計動かない、「湿」の停滞が身体の重だるさやむくみを促進してしまうからです。
緑豆の薬膳的効能は?
ちなみに緑豆茶は、緑豆をしっかり煮込む方法(=湯類とうるい)で作ります。皮付き緑豆の煮汁を飲むので、緑豆は無農薬などの厳選品を選択した方がよいです。
緑豆は、これから到来する梅雨や夏に適している食材の1つだと思います。五臓「心」は夏に深く関連し、ダメージを受けやすい臓器。緑豆はこの「心」に帰経するので、ジメジメした湿気の多い日本の夏の「湿熱除去」「夏バテ予防」「暑気あたり解消」にはオススメです。
緑豆がNGのタイプは?
豆自体が胃腸のエネルギーダウンを解消(健脾)してくれるので、食卓では常に食べておきたいものですが、緑豆は「寒性」で身体を冷やす作用が強いです。そのため、常に胃腸の調子が悪い方や慢性の下痢のある方、冷え性の方はオススメできません。
季節的にも、秋や冬の摂取は注意し、夏やジメジメ・ムシムシする梅雨や初夏に食すのがオススメです。
緑豆でなくても、緑豆もやしや緑豆春雨も効能的には同じなので(豆の方が効能パワーは強い)、温かい春雨の炒めものや緑豆もやしのナムルなどで利用するのも良きです。
緑豆のアレンジメニュー
暑さや湿度のダメージが強い時は、とにかく食欲ダウンしてしまうので五臓「脾」(胃腸)を休ませるのが一番です。お肉や揚げ物などのガッツリ系ではなく、お粥や煮込み料理・蒸し料理など温かくてお腹に優しいものや調理法で食しましょう。
スープはむくみや湿度の高い季節だと、逆に余計に体内の不要な水分を増やしてしまいます(特徴:口の乾きが無)。お粥がベストだと思いますが、スープでも紫蘇や生姜、ネギなどの発汗・発散作用のある「解表」類を入れたものをオススメします。
「暑さ解消」をフォーカスするのなら、再利用の緑豆を柔らかくなるまで茹でたものでマリネを作りました。ハトムギや小豆、トマトやセロリなどの「清熱」類と合わせると効果UPします。
ちなみに、同じ豆類でも「小豆」自体も体内の「湿」排除・むくみ解消作用はありますが、緑豆の方がしっかり水分を排出してくれます。緑豆もやしも同様で、排出力は緑豆の方が強いです。
黒米と合わせたお粥では、口の苦さは相変わらずで食欲ダウンもあったので胃腸のサポートとアンチエイジング作用(健脾・補腎)を期待して黒米を使いました。巡りを促進する作用(活血)や目のかすみ解消(明目)もあるので黒米は我が家の常備食の1つです。
この夏、もしくは夏を目の前にした今からでも緑豆を手にしてみるのはいかがでしょうか?
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