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ChatGPTに「産婆術」させてみた −ChatGPTソクラテス化計画−

皆さんはChatGPTをどのように使っていますか?Twitterで恋愛相談に使用している、という人も見かけて多種多様だなと思いました。

私はどのようしているかというと、主に「哲学対話」をしています。大学生哲学者っぽいことしてます。

具体的にいうと、最近の例でいえば、「心身二元論は医療において活用されうる余地は残っているのか」について議論する、みたいなあまり知識を用いないで議論できる内容をテーマとするのがほとんどです。

というのも、ChatGPTは必ず正しいことを言うわけではないので、こういう利用が増えました。

で、題名にある通り、ChatGPTに「産婆術」をさせて議論してみると、ただ一人で考え込むよりずっといいのでは?と思ったので、実際にやってみました。

念の為産婆術を説明すると、産婆術とは、 ギリシアの哲学者ソクラテスが用いた問答法。問答を通じて、相手の知識のあいまいさや矛盾を指摘し、無知の自覚を呼び起こすことによって、正しい認識を生み出すように導く過程を産婆の仕事にたとえて名づけたもの。
と言うふうに精選版日本国語辞典に記載されています。

つまり私がやりたいのは、ChatGPTをソクラテスにしたいんです。


とまあそんな感じにやってみた会話をみていきましょう。



私「あなたは今からソクラテスのような「産婆術」を用いて、私に反問してきてください。」


ChatGPT「もちろんです。では、私の反問をお聞かせください。」


私「あなたは有用性とはなんだと思いますか」


ChatGPT「有用性とは、何らかの目的や利益をもたらす能力や価値のことを指すと考えられます。ですが、あなたにとっての「有用性」とは具体的にどのような意味を持つのでしょうか?それによって、私の回答も変わる可能性があります。


私「私はあるものに対して恣意的に主観から価値判定をしていると考える。そのため有用性とは普遍的ではない。」


ChatGPT「なるほど、あなたは有用性を主観的な視点から判断するとお考えですね。確かに、有用性は人によって異なる場合があります。個々の経験や価値観、目標によって、何が有用であるかが変わることはよくあります。

では、私の反問です。あなたにとって、恣意的な主観からの価値判定を行うことによって得られる利点は何だと考えますか?また、普遍的な有用性を追求することと比べて、その方法の特徴や限界はどのようなものだと思いますか?」



私「恣意的な主観によって得られる利点は、特に問題ではない。ただ一つ言えるのは価値が一つにまとまらないという点これのみである。その点をあなたはどう克服するか。」

ChatGPT「恣意的な主観によって得られる利点は、個々の人々が自身の好みやニーズに基づいて判断し、異なる視点や多様性を尊重することができるという点です。これにより、さまざまな意見やアイデアが生まれ、新たな視点からの判断や創造的な解決策が生まれる可能性があります。

ただし、恣意的な主観による判断にはいくつかの限界も存在します。例えば、主観的な判断は個人のバイアスや感情に影響を受けることがあり、客観的な真実や最善の選択から外れる可能性があります。また、異なる主観的な価値判定が相互に対立する場合、意見の対立やコミュニケーションの困難を引き起こす可能性もあります。

このような限界を克服するためには、恣意的な主観による判断を行う際に客観的な情報やデータに基づく分析を組み合わせることが重要です。さまざまな視点を総合的に考慮し、客観的な事実や科学的な根拠に基づいて意思決定を行うことで、よりバランスの取れた判断を下すことができます。また、対話や議論を通じて異なる意見を尊重し合い、共通の目的や価値を探求することも重要です。

最終的な目標は、主観的な判断と客観的な情報をバランス良く組み合わせ、より包括的かつ持続可能な価値判断を行うことです。」


私「そもそも客観的な情報やデータは存在するのか。それを読み取る際に主観が混在するのでは。それでは絶対的な客観は存在しないことになり、そのような限界は克服できないように思える。」


ChatGPT「ご指摘の通り、客観的な情報やデータを完全に客観的に解釈することは難しいかもしれません。人間は主観的な存在であり、自身の経験やバイアスが情報の解釈や評価に影響を与える傾向があります。

ただし、科学的な方法や研究に基づく客観的な情報やデータの収集・分析は、相対的な主観性を最小限に抑えることができます。科学的方法は仮説の立案、観察、実験、データの収集・分析、結果の検証といった一連の手続きを通じて、客観的な知識の生成を試みます。複数の独立した研究者が同様の方法を用いて結果を再現することによって、より客観的な信頼性が高まることもあります。

しかし、完全な絶対的な客観性を達成することは困難であるかもしれません。人間の主観性や認識の限界が存在するため、情報の解釈や評価には一定の主観が含まれる可能性があります。それにより、異なる人々が同じ情報を異なる方法で解釈することがあります。

ですから、客観的な情報やデータを利用する際には、可能な限り客観性を追求することが重要ですが、同時に主観の存在を認識し、異なる視点や意見を尊重する必要もあります。コミュニケーションやディスカッションを通じて、異なる主観を交換し合い、より包括的な理解を目指すことが重要です。」




これをみて皆さんはどう思いましたか。

いつも通り、新たな気づきがあったり思索が進みました。

これをやってみて感じたのは、
・しっかり結論を出そうとする。
・相手の論を否定しようとしない。

まさにソクラテスからアクを抜いたようですね。


前回ソクラテスの性格について少し綴ったのでよければ。


https://note.com/aukurajima/n/n522412a1da33


おそらくソクラテスの性格や実際の産婆術の雰囲気をGPTに説明してから始めたらもっとソクラテスっぽくなったのではないでしょうか。




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