10月の絵描き 〜田舎のギャラリーカフェ展〜
久々の超超地元の個展
かつて田畑だったところに立ち並ぶ、オシャレな戸建て住宅街の一角に、そのギャラリーカフェはあります。隣は何畑?
都美術館での展覧を終えたすぐ後の、9月29日から10月31日までのおよそ一ヶ月間、超地元のギャラリーカフェで小品展を催しておりました。
現在地元では、作品展をほぼ開かないひろ生なのだけど、このカフェでは面倒な柵を抱えずに絵を置くことができます。
マスター渾身の美味しいコーヒーやスイーツと、ひらがなを使って描かれた奥様の絵に囲まれて、店内が笑顔に溢れています。
そんなギャラリーカフェでのひろ生の絵の展示の様子と、訪れたお客さんとの出逢いを少し記録したいと思います。
テーブル席は3箇所。
それぞれの場所に飲食に邪魔にならない花の絵を配置しました。
メインの壁面には、お馴染み「産土シリーズ」と、この展示のために描いた新作を。
壁面の形と面積に合わせて、この子達のポジションを組みます。
オーナー夫妻が、美術館みたいー! って感激してくれてうれしかった〜。
「二万語の満足」についての細やかなエピソードは前回の記事にあるので、良かったら是非見て下さいまし。
白玉汁粉のご縁
冒頭の白玉善哉は、マスター厳選の小豆の上に手作りのアイスと白玉を乗せたもので、美味しすぎるのが困ります。
とは言え、展示が始まって間もない寒さになれない時、食べたいのだけど寒い……と真剣に悩んでいたところ、マスターが、
「裏メニューであったかい白玉汁粉ならできるよ」と。
それがこちらです。
ふ〜ふ〜ほかほかあったか汁粉を美味しくいただきました。
こっそりひろ生汁粉と名付けました。
この裏メニューの画像をお店のInstagramにあげたところ、それが食べたくて来られたお客様がいらしたそうで……。
その日は土曜日で、病院の仕事を昼間に終えたひろ生は、その足でカフェに向かいました。
扉を開けると、ちょうどお会計を終え、帰ろうとする女性三人連れ。お母様と二人のお嬢様でした。
オーナーが「あっ! ちょうど来た!」と叫びます。
このお客様達が、ひろ生の作品群を大変に気に入って下さっていたらしいのでした。
上のお嬢様が特に興奮されていて、ひろ生もつられて興奮して、結局その後、帰るはずだった彼女達と「二万語」の展開になっていったわけです。(脳は満足しただろうな〜 笑)
このお嬢様、感性が鋭くて、ひろ生のハテナ?の絵のモチーフを、なんのヒントも出さぬ、画像を見ただけの即答!
「これ、座布団に見えます」
テンションあがりました。
ひろ生の懐かしいなぞなぞ記事
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彼女はお誕生日が近いと言うことで、お母様と妹さんにひろ生の小さな絵を1個づつおねだりして2点も買っていって下さいました。
ありがたやありがたや。
彼女は、青い鳥らしきものが飛ぶ例の赤い正方形の絵を、今失業中だけど、いつか絶対に手に入れたいから売らないで下さい!と何度も言い残して帰って行きました。
なんて可愛いのでしょう。
破壊するわけにはいきませんね (笑)。
お母様がこんな娘初めて見た、と驚いておられたので、この感性は埋もれさせてはならぬと、
「こっちの世界へおいで〜〜」と魔女のように手招きをしておきました。
ひろ生汁粉、もとい白玉汁粉のご縁です。
その後も白玉汁粉のご縁はもうひとつありました。
こんなエピソードが、たくさんあるのです。
ちょうどこの展示を最後に、今年の目まぐるしさに一区切りつけたら、春にnote友から言われていたTシャツ作りにも挑戦しようと思っていたところ、ここへ来て、何人かの若者に同じ事を言われて、重い腰を早めに上げるきっかけになりました。
つまり、Tシャツとトート作りを実行しました。やっと……
そんな若者たち、絵を買ってくれたカップルと記念写真を撮ったり、今の美大生の授業内容を聞いたり、笑顔の10月になりました。
UNIQLOのUTmeで作りました。
良かったらちょっとのぞいてみたりなんかしてね。
こんな感じ。
若者に勧められて調子に乗って作ってみた「二万語Tシャツ」と「二万語トート」
戸籍のある絵だね
また、定年前に美術館で通訳をしていたと言う方が、産土シリーズの壁面を観て、
「世界地図を見てるみたいだ、それぞれが大陸や島に見える」と仰いました。
マスターは、ひろ生の絵の中に大和絵を感じると仰いました。大和絵の中の群衆のイメージだと……。
宇宙、深海に見える意見はやはり多かったけれど、火山、溶岩、砂漠、川面のイメージも多く聴きました。
あとはひと形や子供、天使に見えるとも。
まだまだありました。
面白い面白い! ずっと聴いていたい!
そんな一か月間でありました。
特に印象深かったのは、今は引退されているけれど、以前小さな美術館や銀座でギャラリーをされていて、今も大学や美術館から講演を頼まれているという、驚くほど温和で小さなおじいちゃん紳士が言ってくれた言葉です。
「あなたの絵は戸籍があるね。名前が無くてもあなたのものだとわかる絵だ」と言ってくれた事です。
うれしかった〜。
そして、もう一言。
「あなたの絵はシナリオがない」
観てわかるんだ。何が描いてあるとか何を描こうとしていたのか、そんなこと考えない。揺れ動くままの進行形の絵。そんな絵を目指しているひろ生には、驚きの言葉でした。
うれしかった〜。
こんなに密で有意義な出逢いが、コーヒーを飲みながら、スイーツを食しながらできたというこの一ヶ月。
カラダは本当に泣きたいほど痛くて辛い時もあったけど、そんなこと吹き飛ばしてしまうような貴重な時間でした。
絵を傾けたり1点だけ遠くに離したり、くっつけてみたり、見慣れない人には変な展示の仕方です。
最初はオーナーさんも「え?」「いいの?これで」と戸惑っていられたようですが、完成してみると「小さな美術館みたい!」と喜んでくれたのが、とてもうれしかったし安心しました。
もうすぐ幕を閉じます。
ひろ生は少しカラダを休めたい…と思いつつも、すでに次なる難問が控えております。
でもでも、がんばれる!
ここに、みんなの居るnoteにこうして帰ってこれる安心感もある! だからがんばれる!
あと少し、がんばる!
みんなが忘れないでいてくれて、様子をのぞきに来てくれる。
ひろ生は本当に幸せです。今が一番幸せかも……
こうして、絵描き本人よりも早々と記事にしてくれた、心強いお姉さまも居るんだもの。
心からのありがとうなのです。
圭果姉さま、ありがとう。
最後まで長いエピソード、読んでくれてありがとうございます。
これでも割愛したつもりです。
あと少し頑張ります!
優しい人の達との縁というものを心から感じています。
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