鹿男あをによし
シカに選ばれシカたなく従ったら、シカにされたり日本を左右する出来事に巻き込まれたそんなおかしな話
文中でシカで韻を踏んだところがあったので挑戦してみたらあまりうまくいかず…
舞台は奈良。あと少し京都と大阪。
ストーリーに神話や古代史が絡んでくるが、それはテーマの一部にすぎず、そのせいで読むのが難しいということもなく、また登場人物に特徴がきちんとあるのでキャラ読みでもスラスラと読めたしストーリーもキチンと理解できた。
作中での話題にあるように所々「坊っちゃん」に似ている部分がある。たとえば、教師にあだ名をつけるだとか、主人公が東から西へ移動する(坊っちゃんでは江戸から四国、本作では東京から奈良)、主人公が神経衰弱といわれるところなど。
脱線するが、作中でこんな言葉がある。
自分たちだけの習慣を他者に平気で押しつけてくる。それが万能だと信じて疑わない。失礼だって?これぞ人間の勘違いの極みだな。
近年、SNSが普及して簡単に発信できるようになったことで、自分の主義主張とは異なるものや道徳的に正しくない発言は「それって不謹慎ですよね?」のように言われたり、即座に晒され叩かれるようになっている。自分の主張を持つことは良いことだけど、それを他人に押しつけず互いに理解しあえるよう気を付けていきたい。
最後に藤原君曰く、あをによしとは
「青丹よし」で、建物の青色と丹色の色づかいが鮮やかで、都の眺めはグッドだなあという意味のようですよ
とのこと