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ONEOUTS感想②

「ONEOUTS」について続けて書いていきます。
その中で「賭博開示録カイジ」の限定ジャンケンについても少し触れます。

ONEOUTSのあらすじについて再び書くと、
「渡久地東亜」という120km/hそこそこの直球しか投げられないピッチャーが弱小球団リカオンズに加入し、優勝を目指すという話です。
また、「渡久地」は選手の枠に収まらず、リカオンズを購入してオーナーの役割も果たします。

ではここから、ネタバレ全開で書いていきます。
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・「ONEOUTS」の選手たちのレベル

「ONEOUTS」に出てくる選手たちは3つのレベルに分かれます。
その3つのレベルについてこれから書きます。

レベル1.他人に影響を受けて負ける選手。
レベル2.自分に集中して勝つ選手。
レベル3.自分がいなくても勝つ選手。

・レベル1.他人に影響を受けて負ける選手。

「渡久地」が来た直後のリカオンズの選手がこれに当たります。
前評判が高いチームが相手だと、「やる気なくすなー」「俺の出番来なきゃいいのに」などとぼやき試合前から相手に飲まれ、自分のプレーに集中できていませんでした。

また、「渡久地」と対峙して負けていった打者たちもこれに当たります。
みんな「渡久地」からの揺さぶりに負け、自分本来のプレーができず敗退していきました。

・レベル2.自分に集中して勝つ選手。

「渡久地」が来て成長したリカオンズの選手がこれに当たります。
リカオンズメンバーがチームワークについて議論していた際の菅平という選手のセリフが、リカオンズメンバーがレベル2に来たことを表しています。

「俺が」なんだよ。「俺が」チームを勝たせるんだよ。
他人なんかあてにしちゃだめなのさ。自分しかいねーんだよチームを勝たせられるのは。(「ONEOUTS」15巻132話)

相手の前評判が高かろうが、味方がミスしようが関係ない。自分に集中して相手を打ち負かす。

リカオンズの選手たちがレベル1からレベル2へ上がることができたのは、「渡久地」の戦いへの姿勢を間近で学び、「渡久地」が企画した制度を体験したからです。

・「賭博黙示録カイジ」と「ONEOUTS」


「賭博開示録カイジ」の「主人公カイジ」もレベル2の選手と同じ精神を持っています。

状況を超簡単に説明すると、「カイジ」は「北見」という相手とじゃんけんをします。このじゃんけんには「カイジ」の人生全てがかかっていて、見物しているギャラリーは「カイジ」の負けを願っています。その際の「カイジ」のセリフがこれです。

北見
「ギャラリーはこっちの味方だぜ。どんな気分だ?
四面楚歌の中、最後の星を賭けるっていうのは。 」
カイジ
「関係ねえ。 他人なんか関係ねえ。
オレだ。 オレなんだ。
肝心なのはいつもどんなときもオレがやると決めてやる、ただそれだけだ。
気がついたんだ。
耳を傾けるべきは、他人の御託じゃなくて、オレ自身の声。
信じるべきはオレの力。」(「アニメ賭博黙示録カイジ」5話)

菅平のセリフと同じです。
周りに惑わされることなく自分に集中する。
この後、「カイジ」は「北見」に見事勝利しています。

レベル3.自分がいなくても勝つ選手。

レベル2に行ければもう十分すごいのですが、そのもう一つ上があります。
「渡久地」だけがこのレベル3に当たります。

終盤で、リカオンズはマリナーズ(最強選手の寄せ集めみたいなチーム)と優勝決定戦を行います。
しかし、そこに「渡久地」の姿はありません。
でも、「渡久地」抜きでもリカオンズメンバーは自分たちのポテンシャルを100%活かし、マリナーズに勝ちリーグ優勝を果たします。

リカオンズメンバーをレベル2まで引き上げ、マリナーズメンバーに対しては自分本来のプレーをさせず、レベル1に落とす。(ONEOUTS感想①の「ONEOUTS」と「黒子のバスケ」参照)
その結果、自分が試合に出なくてもチームが勝てる。

負けたマリナーズのメンバーは渡久地についてこう語っています。

俺たちにはいつも勝負とは関係のないありとあらゆる雑念がつきまとっていた。...(中略)...何といっても最大の雑念はーー渡久地東亜だ。(「ONEOUTS」19巻LASTGAME)

自分の味方をレベル2まで高め、自分の相手を翻弄しレベル1に落とす。そして、自分が動かなくても勝てる。これが、最強のレベル3です。

以上、お読みいただきありがとうございます。

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