不登校対策で思うこと
そろそろ新学期が始まりますね。教員の皆さんは、教材の準備や行事の打ち合わせで忙しくなってきたのではないでしょうか?ここまで来たら、もうやるしかないですね。がんばりましょう!(次の夏休みは、1年後かあ・・・。泣)
新学期のスタートは、気をつけなければいけないことがあります。
夏休み明けは、自殺者が多いです。多くは、いじめなどの人間関係が原因のようです。
僕は、新学期初日は、絶対にキツく指導しないです。忘れ物をしようが、遅刻しようが、夏休みの宿題を全くやっていなかったとしても。(まあ、普段も怒鳴ったりしないけど)
来れただけで満点。顔を見せてくれただけで嬉しい!というスタンスです。みんな、誰しも久しぶりの登校で緊張していたり、不安だったりしているのです。そこで、できなかったことをキツく指導されたり、教育論をぶちかまされたりしても・・・・ねえ、普通に嫌でしょ?
そして、どうしても心配になるのが、新学期初日に来れなかった子。そこからズルズルと不登校になっていく場合が多いです。そういうことを分かっているから、学校の先生は過剰に反応してしまうことがあります。「電話した方がいいかな」「いや、家庭訪問したほうがよいのでは?」「学校の対策委員会にかけて、今後の指導方針を練り直そう」とか。まあ、電話ぐらいは僕もすると思うけど、学校の不登校対策、ちょっと過敏というか、「それ意味あるの?」と思うことが多々あります。
僕の経験上、不登校の原因ってよく分からないことが多いです。何となく学校に行きづらくなって、長期欠席していくパターンが多いです。明確に「これ!」という原因は、ないように思います。(いじめなどの場合は慎重に、毅然と対応する必要があります)色々複雑に絡み合っていて、本人もどうしていいのか分からないのです。
そういう状況の子を無理矢理学校に来させても、あまり意味がないです。僕の不登校へのスタンスは、「来れないなら無理する必要なし!」です。こっちが過敏に反応しても、子どもがそれを聞き入れる余裕がなければ、何を言ったところでダメです。
そんなことは、多くの先生は分かっているはずなんです。でも家庭訪問したりとか電話したりとか、色々やってしまうのです。この原因は、「不登校児を出したのは、担任の責任」という雰囲気が、学校にあるからだと思います。別に直接的に周りの先生から言われることはないですよ。でも、あたかも「担任が悪い」と思ってしまうような仕組みが出来上がっているのです。不登校児が出た場合の担任の仕事一覧です。
まだあるかも。これだけのことを担任はやっていくのです。子供が自発的に頑張って来ようとしているのであれば、教員はいくらでも頑張れると思います。でも、長期欠席の書類の作成など、なんというか実績作りのような仕事ばかりさせられます。
こうして、「担任が悪い」という雰囲気が出来上がっているのです。
不登校の多くは、原因がよく分かりません。原因が、分かっていれば対応できることがありますが、そうでないことがほとんどです。結局、進級・進学などの時間が解決してくれることが多かったです。「誰が悪い」ではなくて、「そういう時期」なのかもしれません。(分かってはいるけど、親や周りは心配になりますよね)
今はオンライン授業など、学校に来れなくても学ぶ方法はいくらでもあります。僕たち教員ができることは、雰囲気の良い学級・学校を作り、みんなで学習する良さを味わえる授業をしていくことだと思います。
学校もそうだけど、もっと時間的にも精神的にもゆとりがあって、ゆったり構えられるような社会であってほしいなあと思います。