身体と心の感覚 腹(肚)と会話してみる
腹が減っては戦が出来ぬ。
書き始めようとしたら、お腹が空いてきて、意識はパソコンの画面ではなく、お腹にいっている。そんなんで、お腹について書いてみよう。
腹が減るって言う。 食べたら、お腹いっぱい。 増える、減るって言い方って、胃の中を言っているんだね。
お腹について意識するのは、お腹が空いてご飯が食べたくなるときだったり、ご飯を食べてお腹がいっぱいのときや、トイレに行きたくなるときなど、生物的な欲求でお腹が反応する。
そんな欲求だけでなく、感情でもお腹を意識することがある。
心と身体について書いてみようと思っていたところで、どこから手をつけようというところで、お腹から感情に触れてみたい。
怒りの感情で「腹が立つ」という言葉がある。 怒りを表現する言葉で、「頭に来る」という言葉もある。同じ日本語で怒りの表現の体の部位が頭とお腹でだいぶ離れている。
この怒りの感覚を自分なりに感じてみると「頭に来る」は瞬間的な反応だったり、脳で怒っていたり、思考で判断している怒りの表現で、「腹が立つ」の方が内面から湧き上がってくるような怒りで、より深い怒りに感じる。
「腸(ハラワタ)が煮えくり返る」なんてより深く怒りがふつふつと湧き上がっている感じがする。東洋医学とか陰陽五行では、いつも怒っている人は肝臓を悪くしやすいとか、肝臓が悪いと怒りやすくなるという。肝臓は五臓六腑に染み渡るって使われる五臓の一つで、他の五臓は心臓(喜)、脾臓(憂)、肺(悲)、腎臓(恐)と内臓と感情が繋がっているという。六腑は、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦のこと。
腹は肚という字が使われていたりで、肚を決めるとか肚がすわるとか肚で考えるなんて言葉もある。 腹より肚の方がより心との繋がりがありそうだ。
肚の中心というとお臍の下あたりの丹田と呼ばれる場所がある。 肚に力を入れるっていうとお臍から丹田あたりをしめすことが多いと思う。ヨーガでいうと第3チャクラのマニプラチャクラと呼ばれる場所のあたりになる。マニプラチャクラは感情に影響があるとい。
みぞおちから丹田、五臓にかけて、太陽神経叢(たいようしんけいそう)という自律神経のコントロールセンターと言われる神経が広がっている。太陽神経叢は第2の脳とも言われている。
チャクラとか丹田とか東洋の思想のものだが、肚で考えるなんて言葉も腑に落ちる感じがする。 腑に落ちるというのも頭、思考で理解するというより、心でわかった、しっくりきたときに使う言葉という気がする。
五臓の一つの心臓は、感情を表現するときにハートが開くとか胸が痛いとか胸がドキドキするとかって使われているが、こちらは第4チャクラのアナハータチャクラ(ハートチャクラ)のあたりだったりする。
多重迷走神経理論では、副交感神経の腹側(ふくそく)迷走神経が脳から心臓やお腹の臓器まで届いているという。副交感神経以外の神経も含まれているらしいが、この神経は感情に影響して人間関係や社会関係に影響を及ぼす、まさにコミュニケーションの神経で、共感的な人の繋がりで感情が豊かになるほどこの神経が育つということを、数年前にNVCと脳科学のワークショップを受講したときに学び、興味を持った。
お腹の中は見えない。脳の中も見えない。それはともかく、脳で何かを考えようとするとき、肚を意識してみよう。肚が何かを教えてくれるかもしれない。静かに耳を傾けて。
身体と心のこと、またどこかで第2弾書こうと思います。