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マッシモ宮にて

前回はローマにある国立博物館のうちの1つであるアルテンプス宮について書きました。
今回は4つあるうちの1つ、マッシモ宮について書きます。

主観的な印象を主に述べています。

マッシモ宮にも名だたる古代彫刻がこれでもか!と言わんばかりに展示されています。
一つ一つの彫刻が本当に素晴らしいので、全てをしっかり観ようと思えば、1日では足りないでしょう。
そして、体力も相当必要かと思います。

来館者数も然程多くなく、ゆったりと観ることができます。

1階に展示してある彫刻で特に私が気になったのは、アウグストゥス帝の大理石像、2体のブロンズ彫刻、古代ギリシャ彫刻のコレー像と背中に矢を射たれた女性像(名称を忘れました。)等々。。


序盤から凄まじい破壊力をもった彫刻ばかりなので、もう私の小さな脳ミソでは処理しきれなくなってしまいました。

そもそも、これ程素晴らしい彫刻が1つの博物館に何体もあることに驚きましたし、そんな彫刻を何体も所蔵している博物館が夥しい量あるというのも、信じられませんでした。
日本では、素晴らしい仏教彫刻や屏風や障壁画等は、期間限定の特別拝観や、数年に1度という頻度でしか観ることが叶わず、常設で展示してある博物館、美術館となれば、かなり限られてきます。
風土や素材等の問題もありますので、簡単にもっと展示して!等とは言えませんが、ここまで差があると、なんだか悲しい気持ちになってしまいますね。
しかし、そこは何を言っても変わりませんし、1つでも多く残っていて、観れるということに感謝しなければいけませんね。

さて、この博物館には地下展示室があります。
その展示室の代表格はなんと言っても、夥しい数の古代ローマ期のコインです。
金貨、銀貨、銅貨と一体何枚あるんだ?と思ってしまうほど、展示室内にあります。
古代ローマ期で最も豊かだったと言われている五賢帝の時代とされる硬貨などの彫りは1つの芸術分野を作っているのではないかと思ってしまうほどに質が高いです。
コインのみを収集するコレクターが居るのにも納得できます。

古代ローマの主軸通貨は銀貨と言われており、歴代皇帝は銀貨の発行に最も力を注いでたみたいです。
また、ローマの経済力、文化的水準の推移を見るのにも硬貨は非常に分かりやすいです。
前述したように、五賢帝の時代の銀貨はとても質が高く、銀の含有率もとても高かったですが、帝国末期では、銀メッキといっても過言ではないほどに質共々に低下しています。

一つ一つ、しっかりと観察したいのですが、それでは1日では全く足りないので、渋々この展示室を後にしました。

2階にも多くの古代ローマ期の彫刻が展示されています。
私が気になったのは、古代ギリシャ、ローマ神話に登場する神々や怪物の彫刻です。
古代でここまでバリエーションが豊かだったとは!と驚きました。
また彼らの想像力の大きさにも感銘を受けました。
以下に私が感動した彫刻のスケッチを載せます。

そして、ミュロンの円盤投げのローマンコピーもありました。

受験生には有名なうずくまるヴィーナスのローマンコピーもありました。

たくさんの魅力的な彫刻があるのですが、1つずつ描いていきくと、やはり体力や集中力にも限界があるので途中から、もう無理だ。となってスケッチをやめてしまいます。
全部描こうと思うと何日かに分けて描いた方が良いな、というのが自分の出したベストな答えでした。
ローマを訪れたときは、必ずここに来ようと思います。

3階には多くのフレスコ画が展示されています。
その中でも特に有名なのが、アウグストゥス帝の妻のリヴィアのヴィラ(別荘の様なもの)にあったフレスコ画です。
合計4面あり、1つの部屋の中にそれぞれはめられています。
四方が古代の絵画に囲まれているので、あたかも自分が古代ローマの時代にタイムスリップした様な感覚を味わうことができます。

私が気に入った箇所の写真を載せます。

木の枝振りや葉っぱの生い茂った雰囲気がとてもリアルで、鳥が飛び交っているので、賑やかな印象も受けます。
緑だけでは沈んだ色彩になってしまいますが、花や果物なども描かれているので明るい空間になっています。
古代の絵画を観れるというのは良いことですね。

マッシモ宮=パラッツォ・マッシモはローマのテルミニ駅から徒歩5分程の所にあります。
アクセスも非常に良いので、時間潰しにもオススメします。

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