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「April 7, 1945」制作記_10 "九六式25mm3連装機銃制作"


まだまだ船体や構造物作業ありますが、色々な事情で、細部作業にあたる「九六式25mm3連装機銃」の制作をします。


まずはカットデータ作り。

(図面引用:戦艦大和図面集 (ヤヌス・シコルスキー、原勝洋・光人社))

図面を元にカットデータを制作していきます。↓

(図面引用:戦艦大和図面集 (ヤヌス・シコルスキー、原勝洋・光人社))

Illustratorで組み立て方法を考えつつ、分解パーツを作ります。


今回のパーツのカットデータ制作で最も注意しなければいかないのが….

1センチ以下、ミリ単位のパーツということ


当たり前ではありますが、紙(新聞紙)なので、あんまり細いものは強度的に無理がある上に、レーザーは熱で焼き切っているので、あんまり細かい、細いと消し墨になってしまいます。

そのことをしっかりと肝に銘じ、サイズ感を考えてパーツデータを作っていきます。
(でもまあ実際、このサイズ感考えてってのがデータ作り出すとかなり難しくて、結局は実際にカットしながらサイズやパーツ数を調整していくことになります。)



そんなこんなでデータを作り……

完成したものがこちら↓

そしてカットするためのカットデータ、パーツは全部で3つ、3回に分けてカットします。

3回に分ける理由は、1つは1ぱーつは素材が違うこと。もう一つは、まとめてやると細かい部分がうまくカットできないので細かいパーツを分けてカットします。

↑2つに分けてカットするもの
↑銃部分は、他パーツより分厚くなり、色も変わるので、これはこれで別パーツ(あと、これは両面彫刻もします。)




そしてカットの始まり。

カット風景

ちなみに、最初にカットするパーツの素材は以下の図のような感じ↓

画像では説明難しいので、断面図で説明

昭和19年の新聞をコピー用紙にサンドイッチして貼り付けてる感じです。

コピー用紙を間に挟む理由は素材自体の厚さ調整もありますが、強度Upも兼ねています。

また、今回の素材は、肝心の戦艦大和でも使う予定の昭和19年代の新聞の一部を使用しています。(小さすぎて文字なんか読めない、読めても一文字くらいのものになりますが、「本物」素材を使用してます。)

昭和19年の新聞ですが、今回は小さいパーツ作業なので、過去作品の残りの新聞を使用しています。



※一応、本番前にパーツを全てテストカットして、テストショットとして1回組み立てます。
(今回そこは飛ばします。)



そしてレーザーカットしたパーツがこちら

わかりやすいように分けています。
すでにミリ単位、これをレーザーでカットできてるのは職人技です。

かなり細かいパーツになります。
今回はパーツ数としてはだいたい30パーツ程度のものを組み立てていきます。

まずは台座部分。

円状のパーツが台座

作る上で、組み立ての時に指で持ってると、潰してしまったり歪んだ理してしまうので、、マスキングテープを貼った組み立て用の台を用意し、その上で組み立てていきます。

そのためまずは機銃の台座にあたる円のパーツを2枚組み立て、台座に軽く貼り付けます。


そして次は機銃の本体に当たる部分(以下図面赤の囲いの部分)を作ります。

(図面引用:戦艦大和図面集 (ヤヌス・シコルスキー、原勝洋・光人社))


切り出したパーツ4つ、どれも10mm以下
パーツをボンドをちょびっとつけて、組み立てていき….
最初に組み立てよう台座に付けた円の上に固定します。
後ろ姿
そして、組み立てた合間にも細かいパーツ、これは少し折り曲げてからいれます。
こんな感じに、これは、以下図面赤丸内のパーツです。
(図面引用:スーパーイラストレーション 戦艦大和 (MODEL ART))


そして次は機銃が乗っている部分を組み立てます。

(図面引用:戦艦大和図面集 (ヤヌス・シコルスキー、原勝洋・光人社))

最初の組み立てはこれ、背景の汚いカッターマットの四角は10mmの正方形なので、それを踏まえてパーツを見ると、小ささがわかるかもしれない。

これらをピンセットで3つの中で一番大きい四角いパーツの短い辺の部分に他2つのパーツをつけます。
そしてつけた。つけたら乾かします。
そして先に作っていた本体の部分に接着、その際に取り付け位置(実物の上下に可動する部分)を間違えないように、確認した後接着します。
(図面でいう以下赤丸の部分、上に少し上がっている部分の付け根より少し前の部分に、携帯カメラではほぼ撮影できてませんが、彫刻で表面に取り付け位置も目印につけています。)
(図面引用:戦艦大和図面集 (ヤヌス・シコルスキー、原勝洋・光人社))


先に言っていた固定部分の目印は赤丸部分です、ちなみに緑の部分が彫刻されて、白い部分が残ります。
本体側にも一応出っ張った部分のとこに外側の固定されてる丸い部分の彫刻をしておきます。
後ろから見るとこんな感じ

そして、この上に機銃を3つ接着します。

機銃のパーツがこちら

機銃は、他のパーツと違い分厚いパーツとなっているため、以下のような組み合わせになっています。↓

2種類の厚さのケント紙を使用。

ケント紙2種類、2枚使用の理由は、カットするパーツに必要な厚さ調整のためになります。

何種類かのケント紙の厚さの組み合わせをテストカットし、パーツを組み合わせた際に不自然にならないか、またパーツの厚さがイメージと合うかなどを県とした上で、上記の組み合わせができました。

また機銃は左右両面に彫刻を入れるので、その際反対側を彫刻するときに、下記図のように左右反対にしたデータを彫刻、四角い枠をカットした上で両方を裏返して入れ替え、その上で再度彫刻、銃の形にカットします。

一応、両方にそれぞれ彫刻を施していますが...…
ほぼわかりませんね…(肉眼でもなんとなくわかるくらいです)

それは仕方ないとして、この3つを左右、真ん中の順で、後ろの部分を先につけた台のお尻のフチに合わせて接着します。

接着の際に銃身など曲げたり折ったりしないように注意です。
接着完了
そして機銃周りのパーツもチマチマ接着します。
上記画像左側パーツ(機銃の隙間に差し込む感じで正面に接着しました。)
そして右側パーツ(上に乗せた感じ)

そして、次は機銃のコントロールする部分、本体左右のパーツを接着します。

まず使うパーツが…

赤丸の左右ハンドルとハンドルの軸の部分
あと細々パーツ(ギアなどが入っているところと思う)

図面でいういう以下赤丸箇所↓

(図面引用:スーパーイラストレーション 戦艦大和 (MODEL ART))
そしてピンセットで慎重に組み立てました。

そして次は座席や他パーツ

椅子は、ピンセットと指を使って慎重に背もたれの部分を曲げます。
そして接着、あと向かって左側の座席部分の円のハンドルも接着します。

さて、どんどん仕上げに向かっていきますが、ますます「ゴミ」と見分けがつかないパーツが出てきます!

次につけるのがこれ↑

このピンセットで掴んでるゴミみたいなのが何かというと、図面赤丸の、機銃の弾倉を取り換える際にグイッと引いて男装を取り外すやつ(多分な上に名前忘れた)

(図面引用:スーパーイラストレーション 戦艦大和 (MODEL ART))
つけましたが、もう写真じゃよくわかりませんね


わかりにくいですが、U字のパーツです。
上赤丸のパーツは取れちゃってますが、この細長いパーツと、した赤丸部分の四角いパーツ

上記二つの画像のパーツが以下図面の赤丸内。

U字のが右上の赤丸、2枚目上の赤丸が左右に飛び出してる棒状のやつ、2枚目画像の下赤丸が図面下赤丸の四角いものになります。

(図面引用:スーパーイラストレーション 戦艦大和 (MODEL ART))
それらを接着
あ、あと画像ではもう接着されてしまっている機銃操舵手
の足置きも接着します(しました。)



そして、ようやく完成……

とりあえず1個完成ですが、今回は2個作ります。


2個目は、今までの工程をまた1からやってる感じですが、1個やれば気を付けるポイントや組み立てる適切な順番などがわかるので、比較的早く組み立てられます。
(あと早い理由にはnote用に記録写真も撮らなくて済むというのもある)


そして2個完成。

後ろ

今回は単品展示なので気楽でしたが、本番の戦艦大和には28個もこれを作らなければならないので……ちょっとめんどくさいですね…….


完成品サイズは、1円玉と比べるとこれぐらいのサイズ。
これでパーツ数はだいたい30ぱーつぐらいです。
(説明にないもう写真も撮れないレベルで小さいパーツも多数接着してます)


ちなみにこの機銃2つは2月15日から赤坂にある石川画廊で開催の展示にて展示販売されています!

この小ささをぜひ自分の目で見てください!

「断片と軌跡」足立篤史/上林泰平 二人展
会期:2025年2月15日(土)〜3月1日(土) ※日曜休廊
時間:平日 12:00~18:00 土、祝日 12:00~17:00
会場:石川画廊
東京都港区赤坂2-21-5
銀座線溜池山王駅 出口11 徒歩5分 千代田線赤坂駅 出口4 徒歩7分 南北線六本木一丁目駅 出口3 徒歩9分
TEL:03-6277-7261
WEB:https://galleryishikawa.com

作家も大体金、土曜はいます。


次は、機銃に続いて高角砲もやります、お楽しみに!


つづく




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