『天使の翼』第13章(15)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
わたしは、わたしの顔とSSIPの方を交互に見比べて戸惑う子らに、目顔と手のひらの動きで親御さんたちの方へ戻ることを促した。子供らはとても素直に、でも、まるでクモの子をまき散らしたかのように帰っていった。
その一瞬の静寂ののち、SSIPのエアカーのドアがバタバタと開いて、まるでそれが当たり前のように物々しい銃を構えた武装兵ら十数名が降り立った。
「フッ」
こんな場合なのに、わたしは、思わず乾いた笑いを漏らしていた。
兵らの銃は、皆、わたしではなく、人間には全く無害なエリザのほうに向いている。見かけは優しげでも(?)、わたしのほうが怖いわよ……
エリザが、あまり相手を刺激しないよう、でも明らかな不満を示して小さく咆哮した。