見出し画像

店舗をどこに構えるか?~顧客接点は顧客が決める~

 日経電子版の記事【コロナ禍で「逆流」する流通 分散時代の一等地を探れ】では、優位性のある店舗の立地の変遷が、コロナ危機を契機に逆流し、改めて問い直されている状況がリポートされています。



 飲食店や大小様々な小売店など、流通サービス業にとって、立地、店舗をどこに構えるのか、都心か、郊外か、駅前か、それとも、ネット上のバーチャル店舗にするのか、それは、経営のコンセプトとも直結する最大の課題である、と言えるでしょう。

 そこで、まず記事などから、一般的に優位性のある店舗立地がどのように変遷してきたか整理してみると――

▶一般的に優位性のある店舗立地の変遷

①~1970年代・・・商店街

②1970年代~・・・駅前大型店

③1990年代~・・・郊外型店舗(ショッピングセンター・家電量販店など)

④2000年代~・・・都心回帰(駅ナカ・駅チカ)

⑤1990年代後半~・・・ネット通販黎明期

⑥2000年代~・・・ネット通販成長期
⇩      ●『ネットとリアルの対立』
⇩           ⇩
⇩      ●『ネットとリアルの融合』(オムニチャンネル戦略)
⇩           ⇩
⑦2020年・・・  ●『コロナ危機』(ソーシャルディスタンス+デジタル化・
               IT化・オンライン化の加速)
      1.商店街・郊外型店舗への回帰が起きた。
      2.新たな『立地』の模索が始まっている。



 その時々の時代の状況に合わせて変遷してきた立地の優位性は、都心回帰で決着がついたかに見えたのですが、その一方で、そこでは、台頭し拡大するオンライン店舗との競争、そして、オンライン・オフライン双方の良さを統合する『ネットとリアルの融合』が進行していました。

 そこに起きたコロナ禍が、ソーシャルディスタンスとオンライン化の加速という2大要因、2つの大きな課題を流通サービス業界に投げかけてきた訳です。都心部の滞在人口が減少している上に、入店制限などでソーシャルディスタンスを徹底すれば採算が取れず、また、都心の家賃という高額の固定費をスケールメリットでカバーする手法はもはや通用しない……



 商店街・郊外型店舗への回帰は、今回の事態に対する一つのソリューション(解決策)に過ぎず、流通サービス業にとって最大の顧客接点である店舗をテイクアウト・ドライブスルー・デリバリー・ネット、さらにはフードトラックのような移動店舗等を絡めながらどのように再構築、デザインしていけば良いのか、コロナ危機は改めて『店が顧客に寄り添う形』を問いかけてきているように思います。
 今回のコロナ危機は、結局のところ顧客接点は顧客が決めるのだ、という原点を強く想起させてくれました。




(付記:2020年5月19日、皆様のおかげをもちまして、noteへの連続投稿が500日を達成できましたことに、改めてお礼を申し上げます。下記の拙稿で振り返りをしています。)




連続投稿519日目。
 当ページにご来訪いただき、ありがとうございました!

いいなと思ったら応援しよう!