『天使の翼』第12章(23)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
あれこれ考えているうちに、わたしは、頭がいっぱいになってしまった。一人で去ったにしろ、誰かと行動を共にしているにしろ、彼は、その理由を明かさずに行ってしまった。いかなる理由で別行動をとることにしたにしろ、彼は、それを明かさずに行ってしまったのだ……
だとすれば、わたしにできることは、今まで通り、吟遊詩人として探索の旅を続けることではないか!彼もそれを望んでいるに違いない……きっと、この先どっかの時点で再会できる。
わたしは、改めて、砂の上に書かれた記号に目をやった。
…………
わたしは、思わず笑っていた。
それはとても簡単なことを表していた――わたし達の辿ってきた経路。
ポート・シルキーズ➡ミロルダ➡アクィレイア➡ラプラス➡アンコーナ
それぞれの星の名の頭文字。
そして、二重線の矢印は、二人で旅してきたことを、単線の矢印は、一人ひとり別々に旅を続けることを……矢印が二つ連なっているのは、おそらく、まずシャルルが出発し、そして、今、わたしが旅立つことを……
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