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『天使の翼』第12章(19)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 一つ一つの石は何の変哲もない。どんどん取り除いて、だんだん山の高さが低くなってきたが、何も出てこない……本当に壊して良かったのか……円錐形の日時計だったのでは……可能性はいくらでもある……石積みの高さが低くなるにつれ、後悔する気持ちが強くなってくる……
 (ああ、わたしったら、何かのメッセージを見逃してしまったのかしら……)
 慙愧の念が暗雲のように垂れ込めてきたとき、石積みに変化が現れた――粒状の石くれの下から平べったい石が出てきたのだ。
 完全に姿を現したその石、というか岩は、5標準センチ位の厚さで、直径20センチほどの平べったい形状をしていた。
 ……地面に直接置いてあるように見える……目を皿のようにして見たけれど、表面には、人工的な引っ掻き傷の類はなかった……
 (持ち上げるしかないわね……ままよ!)
 わたしは、その平べったい石をそっと持ち上げて、裏側を見ようと・し・た――

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