時代遅れのGDP~『価値』を表す経済指標とは?~
日経電子版の記事【野村総研、GDPに代わる「新経済指標」を提言】は、時代を捉えているとは言い難い『GDP』に代わる経済指標『GDP値+消費者余剰の総額i』に関するリポートです。
そもそも、プロダクト(モノ・サービス)そのものよりも、そのプロダクトから得られる『体験』に『価値』を見い出すコト消費の時代を正確に把握しようとするなら、この『体験価値』の評価額を計上する必要があるのは明らかです。
ところが、「モノ・サービスの生産・提供を通して生み出される付加価値の額」である『GDP(国内総生産)』には、もともと、「消費者が払ってもよいと考える額と実際に払った額の差」としての『体験価値』が含まれておらず、今の時代の『価値』の実態よりも相当に低く見積もられた、生活実感と乖離した指標になってしまっている訳です。
この記事で紹介される『GDP値+消費者余剰の総額i』は、このような『体験価値』の中でも、特に乖離が大きいと思われるデジタルサービスにおいて、「消費者が払ってもよいと考える額と実際に払った額の差」を『消費者余剰』として把握し計上するものです。
▶ 価値の実態
=モノの付加価値+サービスの付加価値+体験価値
▶ GDP
=モノの付加価値+サービスの付加価値
▶『GDP値+消費者余剰の総額i』
=GDP+デジタルサービスの消費者余剰
その時代の経済の実態、生み出された価値の総額を表す指標を、生活実感との乖離の少ないものとするには、その時代、時代の価値基準、例えば『体験価値』などを合理的な手法で算出、加味して、より精度を高める必要がありそうです。
『GDP値+消費者余剰の総額i』などの新しい指標によって、より高い精度でその時代の経済を評価できるようになれば、そこを出発点とした施策の精度も上がるに違いありません。
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