ネットに負けないリアルの条件とは
日経電子版の記事【イケアの年間売上高、初の400億ユーロ超 ネットが好調】は、ごく短いさりげない記事ですが、ネットに負けないリアルの条件が見事に抽出されている、と思います。
さっそく、その部分をピックアップしてみると――
▶成長するリアルの事例
(1)自社サイトの販売力
=自らもネット通販に乗り出す。
(記事より)
……特にオンライン販売は43%増の29億ユーロと成長に弾みが付いた。
(2)独自商品(プライベートブランド)の商品力
=他社では買えない魅力的な商品がある。
(記事より)
……米音響機器メーカー「ソノス」と共同開発したスマートスピーカーなどを投入し、業績に貢献した。
(3)モノを売らないショールーム型店舗
=消費者のショールーミング行動に応える店作りで、ネットに誘導。
(記事より)
米ニューヨークやロンドンにある小型店はショールーム機能に焦点をあて、気に入った商品があればネットで購入してもらう戦略も奏功した。
一言でいえば、ネットとリアルの融合、オムニチャネルということかも知れませんが、現実にネット組に敗退してしまうリアルが多い中で、見事にポイントを押さえ、しかも、それがお題目に終わらず実効性をもって機能している、という事でしょうか。
そもそも、ユーザーにとっては、ネットとリアルは対立している選択肢ではなく、うまく組み合わせて使い分けるための存在です。だとすれば、ネットとリアルの融合によって、UX(ユーザーエクスペリエンス)の最大化を図る事こそが、カギを握っていると言えそうです。
改めて、ネットに負けないリアルの条件を整理してみると――
▶ネットに負けないリアルの条件
(1)自らもECサイトを立ち上げ、顧客がネット経由で購入できる
ようにする。
(2)他社(サイト)では買えない魅力的なプライベートブランドがある。
(3)モノを売らずネットで買ってもらう『ショールーム型店舗』、ネット
で購入して店舗で受け取る『BOPIS(ボピス、Buy Online Pick-up In
Store)』など、リアル店舗を持たないネットには真似のできない
オムニチャネルのサービスを充実させる。