定年後の夫の育て方(9)子は「かすがい」
定年後の夫の育て方、第9回です。
2020年の1月くらいのお話です。
以前の話はこちら。
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なっちゃん、違和感を感じる
結婚して家を出ていたなっちゃん(あつこの次女)がほぼ1年ぶりに泊まりに来た。
共働きのマンション住まい。
気楽な実家暮らしを卒業し、新米奥様として頑張っているらしい。
2人とも総合職なので、掃除や洗濯、料理もお互いにできるところをする。
うん、イマドキである。
雰囲気も、独身の時よりも落ち着いた感じがする。
なっちゃん「やっぱりうちは、ほっとする」
あつこ「何かあったの?」
なっちゃん「別にこれといってないんだけど、大好きな人でもずっと一緒だと疲れる時があって。だんだん慣れてきてるよ」
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なっちゃんが幼稚園年中さんの頃の話。
1つしかないクッキーを半分に割って、友達と一緒に食べていた。
そのやさしさは、生まれつきである。
他人の変化も敏感に感じ取って、我慢してしまうこともあった。
そのため、あつこはなつおくん(なっちゃん夫)に初めて会った時、こう言った。
「この子を一生かけて守って大事にする気持ちはありますか」
どこかの頑固親父みたいだ。
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夕飯が終わった後なっちゃんに言われた。
なっちゃん「パパとママ喧嘩してるの?何かあった?」
あつこ「え?」
なっちゃん「なんだか変だよ。2人とも私としか話をしないし」
あれま、反対に心配されてしまった。
あつこ「けんか、と言うわけでは無いけれど」
そして家事の分担の話や、テレビつけっぱなしの話を、手短に説明した。
はるちゃん、動く
なっちゃんは、次の日(日曜日)、自宅に帰って行った。
その同じ日曜日の午後、はるちゃん(長女)から電話がかかってきた。
はるちゃん「ママ、パパとケンカしてるんだって?
夕食の時にほとんど話してなかったって、なっちゃん心配してたよ」
なっちゃんは、はるちゃんに相談したらしい。
はるちゃんとなっちゃんは2歳差。
はるちゃんは長女だけあって、しっかり者でフットワークが軽く、鋭いものの言い方をする。
そのせいか、あつこははるちゃんから厳しい指摘を時々受ける。
母親の弱みに、容赦なく切り込んでくるのがはるちゃんである。
あつこ「ケンカというより、家事の分担とか生活態度とかでぎくしゃくしてるだけ」
とりあえず、説明しておく。
たっくん登場(が、疲れる)
その次の週末、たっくんがやってきた。
3歳の鉄オタ幼児である。
理科系夫もあつこも可愛がっている。
はるちゃんは用事があると言って、たっくんをお昼の5時間ぐらい預けて行った。
3歳の幼児は活発で、走る、急に止まるし、家の中も自由自在に動き回るし。
お世話は夫と2人で協力しないと面倒が見切れない。
その結果、夫とも普通に話すしかなくなった。
むむむ。仕方ない
はるちゃんがお迎えに来たときには、正直ほっとした。
疲れた〜。3歳児恐るべし。
とりあえず和解
わかっている。娘たちは心配しているのだ。
かわいい子供たちの心を悩ませるのは、よろしくない。
あつこ「お互いいろいろあるけれども、子供たちに心配させてるから。
だから、ある程度、話をするように努力します」
理科系夫「わかった」
こうして表面上は元に近い形に戻った。
世間話程度はするようになった。
まあ、仕方ない。
後で音声配信を貼り付けます。