チョコレートとオトコ心
もうすぐバレンタインデー。
皆さんは夫にチョコレートをあげるだろうか?
結婚したばかりの頃はあげていた。
しかし、はるちゃんやなっちゃんが生まれてバタバタと生活していくうちに、いつの間にかなくなった。
気がついてみると、チョコレートをあげなくなって、30年近くなる。
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夫は働いているときは、チョコレートをもらって帰ってきた。
もちろん「義理チョコ」である。
それなりにセンスの良いチョコレートの時もあれば。
これはとりあえず買ったなと思うチョコレートもあり。
選び方から女性たちの姿が見えてきて面白かった。
そのチョコレートのほとんどをあつこがいただいた。
夫はコーヒーのお供に甘いものを少し食べるくらいだったからである。
しかし、会社を辞めて4年。
会社はもうない。
あつこはあげない。
我が家にはバレンタインは、関係のない行事となっていた。
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この3連休に、娘のはるちゃんとなっちゃんが遊びに来た。
孫の鉄オタたっくん(5歳)とまーくん(1歳)もやってきて賑やかにお昼ご飯を食べた。
そして、そろそろお開きと言う頃、はるちゃんが包みを取り出した。
はるちゃん「パパ、これ」
なっちゃん「バレンタインだから。いつもありがとう」
チョコレートである。
たっくん「えー、たっくんも欲しい。どんなチョコレートか開けてみて!」
ーーー
あつこ「今までチョコレートくれたことなんてなかったよね。どうしたの?」
なっちゃん「2人とも自分の子供ができて、お父さんて大変だなぁって思ったから」
はるちゃん「2人で相談して、伊勢丹の地下で買ってきたの。
パパ、もう、チョコレートどこからももらえないでしょ」
理科系夫、ニコニコと笑ってる。
もはや笑いすぎだ。
いつも、こっそりとしか笑わないのに。
ミニバーをさらに小さくしたナノバーと呼ばれるチョコレートが詰まっていた。
はるちゃん「ママがいると全部食べちゃうから個包装にしたの」
なっちゃん「少しずつパパが食べてね」
あつこ「ちょっと!」
たっくん「たっくんには、ちょうだいね。じーじ」
まーくん「うーうー」
たっくん「まーくんは赤ちゃんだから、まだ食べられない」
みんなで笑った。
理科系夫「ありがとう。今までで1番うれしいバレンタインだ」
はるちゃんとなっちゃんは、手を振りながら、それぞれの家に帰っていった。
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あつこ「なんとなくずっとニコニコしてるね」
夕食後ののんびりタイムに声をかける。
理科系夫「今まであまり意識したことがなかったけど、バレンタインにチョコレートをもらうって嬉しいものだ」
あつこ「そうなの?」
理科系夫はそれ以上言葉を発しなかった。
はるちゃんとなっちゃんからもらったチョコレートは、理科系夫の机の上に置かれている。
あつこには食べさせず、こっそり1人で食べるつもりのようだ。
まあ、別にいいけど。
そうか。
チョコレートをもらうのはやっぱり嬉しかったのか。
今回は、娘たちからということもあったのだが、オトコ心もけっこう繊細なのだなあ。
でも、来年もあつこはあげないけどね。
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