「妻との関係改善の継続が辛い、どうすれば?」にお答えします。
”妻との関係を改善しようとケアを行っているのですが、変化がなく心が折れかけ、虚しさと疲れだけが溜まっていきます。どうすればいいでしょうか?”
そんなお悩みをいただいたので、Voicyオリジナル放送でお話しさせていただきました。
内容をnoteにも書かせていただきますね。少しでも参考になれば幸いです。
方法が間違っている可能性がある
妻との関係に悩む男性の話を聞いていると、たまに「妻へのケア=妻の言う通りにする」になっているケースがあります。
妻から「顔を見たくない」と言われたので家に遅く帰るようにしたら、「なんで早く帰ってきて助けてくれないのか」と怒られたなどです。
「妻へのケア」の意味は「妻の苦しみを取り除くこと」です。
そのためには、妻が何に苦しんでいるのか、その根本を知る必要があります。
妻の苦しみの発生源を知り、それを取り除くことができれば、妻からあなたへの愛着が生まれ、緩やかながらも関係性が変わっていくはずです。
レアケースですが、パートナーが発達障害である場合、他者への共感が難しく、関係性を築くことが難しい場合もあります。
その場合は「共感」ができなくとも「理解」はできるので、相手がどう言う時に何をしたらどう感じるのかを「学習」してもらうことで、関係性を築ける可能性があるそうです。
発達障害者の支援を長く続けている広野ゆいさんにゲスト出演いただいた際の放送回を貼りますね。
共感が難しい発達障害はASD(自閉症スペクトラム障害)と呼ばれており、ネットで探すとチェックリストもあります。
もし、あなたの妻が発達障害でないならば、関係性が変わらない原因は正しい方法を取っていないからかもしれません。
インタビュアーになったつもりで、客観的な姿勢で、妻が望んでいることを深くヒアリングしてみてください。
また、普段行っている妻へのケアについて、妻自身に感想を聞いてもいいかもしれません。
「君が楽になるかなって思って、こういうことをやっているけど、実際どうなんだろう?『なんか違う、そこじゃない』って感じなのかな?」
などと、自分の行動が妻のケアに結びついているのか確認をするんです。
もし、普段行っているケアが妻の苦しみを取り除いているならば、妻は心のどこかで(無意識かもですが)あなたに感謝をしているはずです。
もしくは、あなたのケアが妻にとって最適であるにも関わらず、あなたの妻が「あなたが私を大切にするのは当たり前、あなたは私に尽くす人、私は受け取る人」と、一方的にあなたからの愛情を受け取ることを選んでいるならば、別の問題かもしれません。
その時は、あなたの方が妻に対して「大切にされていない感覚」を伝え、二人がお互いを大切にし合うための方法を考えた方がいいかもしれませんね。
北風と太陽
ぼくがコンパッションを学んでいる先生がこんなことを言っていました。
変わる気配がない妻に対して思いやりを向け続けるのが辛い場合、(このやろう!)という憎しみを減らし、(この人は色々とやってくれている)と思いやりの気持ちを増やす必要があると。
北風のような(このやろう!)という気持ちでは相手は変わらず、太陽のような(ありがとう!)という優しさを向け続けることで、少しづつ相手は変わってくると。
ぼくも妻から思いやりを感じられない日々がありましたが、妻への感謝ポイントを必死で探して伝えたり、妻のことを好きだと思い込むことで自然と見返りなく思いやりの気持ちを持てるようになりました。
人の脳は他者に思いやりを向け続けることで、見返りなく自然と思いやりを与えられるように変わっていくようです。
でも、一年くらいはかかったと思います。好きだと思い込むことは意味がなさそうに思えたのですが、自然と妻のことを助けようという気持ちになり、その感覚が定着したのでよかったなと思っています。
人は少しづつ変わる生き物なので、もしかしたら妻の変化を見逃している可能性もあります。
その場合は、ノートに夫婦関係に関する日記をつけ、自分たちの関係性がどのようになっているか記録をチェックしてみるといいかもしれません。
意外な変化があったりして、モチベーションの維持につながると思います。
もし、あなたが溢れんばかりの思いやりを妻に向けても、冷たい態度を取られ続ける場合、「夫婦関係を継続させるかどうか」まで視野に入れた上で、二人で話し合いをされた方がいいかもしれません。
覚悟を持って相手に接しないと、本音を話してくれないケースもあるからです。
自分に思いやりを向ける
人は簡単には変わらず、人を変えるには自分の相手に対する対応を変え、その行動を継続させる必要があります。
これは相手が変わるまで続けるのでめっちゃしんどいです。ぼくもしんどかったです。他の相談者さんも皆辛そうでした。
でも、続けられる人もいるんですよね。
何が違うのかというと、自分に対する思いやりを持てる人は続けやすく、結果も出しやすかったです。
妻から冷たい対応を取られ続けながら思いやりを向け続けることは、罵声を浴びながらフルマラソンを完走するようなものです。
味方は一人もおらず、心が何度も折れそうになる。
家に帰れば氷のように冷たい妻がおり、子供のメンタルもおかしくなってくる。人によっては子供を自分の味方にし、夫の悪口を吹き込んでいるケースもあります。
そんな生活、普通の人間には耐えられません。
だからこそ、味方を作る必要があるんです。
「自分」という味方を。
そのために有効なのがセルフ・コンパッションです。コンパッションのワークショップで実際にぼくは「自分への思いやり」を受け取る訓練をしたのですが(下リンク先の記事がその体験記です)、とてもパワフルで数日間は目に映るすべてが輝いて見え、優しい気持ちで満たされたほどでした。
こう書くと怪しく聞こえますが、科学的には思いやりを受け取ることでオキシトシンというホルモンが大量に分泌され、その作用(鎮痛効果、ストレス軽減、不安軽減、幸福感受性の増大など)が働いたということのようです。
セルフコンパッションの本はたくさんありますが、入門編としてはこちらが読みやすく理解しやすいのでおすすめです。
「この人の苦しみを取り除きたい」と自然に湧き上がってくる感情がコンパッションです。この感情を自分に向けることで、自分自身を思いやりで包むこみ、現状をネガティブに捉えすぎなくなったり、ポジティブに行動を継続できるようになりやすくなります。
また、これはコンパッションではありませんが、自分の内側にいる小さな子供(内なるチャイド)に語りかけるというのも効果的です。ぼくもよくやっています。
伊藤絵美さんというスキーマ療法の心理士さんが著者「カウンセラーはこんなセルフケアをやってきた」の中でこう書かれています。ちょっと難しいですが引用します。
普段、ぼくらは(頑張らないと!)と無理しがちですが(夫婦関係改善も無理しがちですよね)、自分の心の奥にいる小さな子供はなんと言っているのか?
そこに耳を傾けると意外な本音がわかったり、辛い出来事があった際に、(大変だったね、辛かったね)と内なるチャイルドに語りかけると気持ちが落ち着いていきます。
ぼくも仕事などで辛いことがあり、味方が一人もいないような疎外感を感じた時、よくチャイルドモードの自分に語りかけて、気持ちを落ち着かせています。
伊藤絵美さんのこちらの本はメンタルをやられていた時にとても助けられました。よろしければ読まれてみてください。ヒントが見つかるかもです。
仲間を作る
セルフコンパッションにも通じますが、自分を理解してくれて応援してくれる人を作ることも有効です。
ぼくが相談に乗っていた方たちにも、積極的に友人や同僚に自己開示をしてもらい、仲間を作るよう促していました。
夫婦関係の話はデリケートなので話しにくいと思われるかもですが、意外と相談された方は頼りにされているような気がして、親身になって話を聞いてくれるものです。
そして、同じような体験をされている方もきっといるはずです。完全にぼくの感覚ですが、口には出さないだけで世の中の半分の夫婦は葛藤を抱えている気がします。
友人や同僚など、話を聞いてもらえる人と相談しつつ、心理士さんのカウンセリングを同時進行で受けられると、関係性の改善もしやすくなります。
周囲からのサポートが増えれば増えるほど、自分の気持ちが落ち着きやすくなり、夫婦の関係性にも向き合いやすくなりますからね。ぜひ、まわりの人に頼り、あなたのチームを作ってみてください。
少しでも参考になれば幸いです。
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この記事の内容は今日のVoicyで詳しく話しています。合わせて聴いていただけると、より理解しやすいと思います。
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