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#MBB
PEファンド|LBOモデル|非公開化
今回はLBOモデルの中でも上場会社を対象としたケース、すなわち非公開化を検討する場合について記載していきたい。
非上場会社を買収する時とモデルの仕組みが大きく変わるわけではないのだが、必要なパラメーターやインプット、アウトプットが若干変わってくるので注意しよう。
エクセルを使用した細かい実務は今後記事にしていく予定である。
1. モデルの準備先ずは一般的な財務3表連動のモデルを作成する時と同
アクティビストファンド|エンゲージメント対策
今回はアクティビストに関して、投資される側の会社目線で書いていきたい。会社のみならずディフェンスアドバイザリー等を行う人にも参考になれば幸いである。
アクティビストは何を求めているのか端的に言うと、アクティビストファンドが求めているのは株主権の行使による短期で株価を上昇させキャピタルゲインを上げる、ということである。
提案内容は拙著の他記事でも書いてある通り、株主還元、ガバナンス改善、事業ポー
M&A | 表明保証保険
今回はM&Aにおける表明保証保険(Reps and Warranties Insurance, RWI)についてである。
M&Aの表明保証保険はM&Aのエグゼキューションの経験がある程度ないと触れない論点でもあるし、外部からは中々実務上の概要が見えにくいと思われるが、概略を記載していく
表明保証保険概要表明保証保険は、M&Aにおいて売り手が買い手に対して行う「表明保証」に関するリスクをカバーす
繰越欠損金(NOL)の取り扱い
今回は繰越欠損金(Net Operating Loss: NOL)のバリューションにおける取り扱いについて簡単に解説していきたいと思う。
NOL(繰越欠損金)とは繰越欠損金は実務ではNOL(Net Operating Losses)という記載をされることが多い。NOLの取り扱いは各国における税制において取り扱いは異なるものの、日本では税務申告書の別表7で記載がある
繰越欠損金(NOL)の定義を
M&A|非公開化に関するコラム
今回は上場会社の非公開化に関するコラムである。
昨今は東証によるガイドラインの見直しのほか、ファンドや事業会社による非常に非公開化案件が多く、特に2024年になってその勢いが加速している。
非公開化の背景としては、日本では人口の割に上場会社が多すぎるという問題のみならず、資本市場から忘れ去られてしまっているような会社(出来高が少ない、低バリュエーション、成長ストーリーが見えない)も相当程度ある
M&A|ビジネスDDのポイント/実務
今回はビジネスDD(BDD)についての記載である。コンサルタント的な分析手法はその道のプロに譲るとして、今回は金融系バックグラウンド(IBDやIBDからPEファンドに行った人)や事業会社の経営企画や投資担当者でBDDをいかに使いこなすか、もしくは自走して分析する際に役立つTipsを大まかに解説していく。
BDDでフォーカスすべき点BDDで戦略コンサルに分析のスコープ(範囲)を決める時は、PEファ
アクティビストファンドによる株主提案
はしがき
今回はアクティビストファンドがどのような視点で株主提案をするのか記載していきたい。2020年以降際立って存在感が資本市場で増してきているアクティビストファンドであるが、今回はその投資仮説について解説していきたい。
投資仮説投資仮説(Investment thesisという)は以下のようにまとめられる。
1. Financial
2. Business strategy
3. Exec
M&A|英文LOIの書き方
以前は日本語でのLOI(意向表明書)の書き方を記載したが、今回は英文でどのようにドラフトしていくのかを記載していきたい。オークションプロセスであればプロセスレターに従った形でLOIを作成するが文章全体をどのように作成すればいいか迷う人もいると思う。
今回は英文のサンプルも付けているので理解のサポートになれば幸いである。
序文序文をどのように書けばいいかは悩むところである。投資銀行等のアドバイザ
M&A|条件付き対価と財務モデル
今回は財務モデリングのテクニカルな部分に関して解説していく。この記事でテーマにするのは買収案件でアーンアウトを行った場合の財務モデルへの反映方法である。会計処理を説明している記事等は多いがM&A実務で実際にモデルにどう落とし込むか解説したものは殆ど無いと思うので参考になれば幸いである。
条件付き対価とは条件付き対価とはM&Aの実務において一定の財務業績を達成した際に支払うアーンアウト等を指す支払
フリーキャッシュフロー(FCF)について
今回はフリーキャッシュフロー(FCF)について。
事業会社では利益概念が先行したり議論になることが多いが、実際はM&A、企業経営や投資判断においては「キャッシュフロー」が最も重要な指標であるといっても過言ではない。
しかしながら、日本語のサイトや書籍を見ているとアンレバードフリーキャッシュフローを単にフリーキャッシュフローとして説明している場合が多かったり、キャッシュフローがそもそも株主に帰属
M&Aにかかわる会計
今回はM&Aの場面で出てくる会計の論点やトピックを書いていこうと思う。M&Aでは企業価値評価や契約書交渉に必要な会計上の論点はいくつかあるので簡単に解説していく。
のれんのれんはM&Aにおいて買収前も買収後も論点になるトピックである。のれんとは、買収対象の事業ないし企業の取得価格と、当該対象事業ないし企業の純資産簿価の差額である
すなわち、正ののれんとは企業買収において買収対象会社の純資産を上
配当リキャップ (Dividend Recap)
今回はLBOモデルの中でも応用論点に該当する配当リキャップについて簡単に解説していく。おそらく日本語の教材で配当リキャップとは何かを解説したものは殆どないと思われるので、ここで概要を掴んでいただければと思う。
配当リキャップ (Dividend Recap) とは配当リキャップ (Dividend recap)とは、プライベートエクイティによる投資回収の1手段である。通常プライベートエクイティは
M&A|インフォメーションメモランダムの書き方①|概要編
今回は会社売却時にセルサイドアドバイザーが作成するIM (インフォメーション・メモランダム)の概要を説明していきたい。
概略IMはCIM( Confidential Information Memorandum)やCIP (Confidential Information Presentation)ともいう。
M&Aのみならず資金調達時の投資家向けプレゼンテーション作成において自社の概要とエク