何かと話題のLIVゴルフ、でもこのスコア管理システムは他のツアーも活用すべきではないか
〇相変わらず世界ランクのポイントは付与されず
何かと話題のLIVゴルフ。
先日CEOのグレッグ・ノーマンが、世界ゴルフランキング(OWGR)に「LIVゴルフに世界ランクのポイントを与えるように申請書を提出してきたが、一向に却下されてしまうため、もう申請を取り下げる」という発表をしました。
これによりLIVゴルフには世界ランクのポイントは入らず、アジアツアーなど他のツアーで世界ランクのポイントを稼いだり、メジャーの出場権を持っている選手はメジャー大会で好成績を収め、そこで大量にポイントを稼ぎランクの維持を行うしか方法がなくなりました。
ノーマンもLIV独自の制度を設け、そこからメジャー出場ができるよう各メジャー主催者を説得する交渉に臨むことを明言しました。
○でもこのアテストシステムは、世界各国のツアーでも一考の余地はある
いろいろと世界のゴルフ界を賑わせているLIVゴルフですが、スコア集計のシステムは先を進んでいると感じます。
今年からLIVゴルフに出場している、香妻陣一朗のポストにはこんなものがありました。
世界各国のツアーではラウンド終了後、自分のスコアをマーカー(他の選手)がスコアカードに記録し、それが間違いがないか確認(アテスト)を行い、間違いがなければ自分及びマーカーのサインをして競技委員に提出するという作業を行います。
ちなみにアテスト中はアテストエリア(主に小屋が多いです)から離れてはいけません。競技委員の確認が終わってから離れるようにします。
アテスト後に競技委員の確認が終わる前に席を離れて、過少申告があればそこで競技失格になりますし、逆に過大申告があれば申告したスコアが採用されます。
競技委員によってスコアの訂正が求められ、そこで修正すれば問題ありません。
スコアカードを提出後アテストエリアから離れ、後になってサインの記入を忘れた場合は競技失格です。
〇スピースの失格もこれが起因したか
先日ジェネシスインビテーショナルの2日目、ジョーダン・スピースもこのようなケースで競技失格となりました。
4H(Par3)はボギーで本来ならば「4」とスコアがなるはずが、誤ってマーカーが「3」とスコアカードに誤記入。このときスピースは体調を崩していたため誤記入に気付かずアテストエリアをすぐ退散し、トイレに駆け込むという事態に。
提出後のスコアが過少申告であったため、スピースが競技失格になったという経緯です。
〇この騒動を受け、賛否両論に
これを受けて、いろいろな議論が起こりました。
また一方では、ルールを変える必要はないと言っている人もいます。
〇現在はショットリンクなどの情報システムが発達
現在はPGAツアーやDPワールドツアーは、記録員の他に選手の一打一打が把握できるショットリンクなどのシステムがあり、疑わしいことについてはアテスト終了前に映像などで確認し、誤りがあればスコアを修正することは可能です。
以前よりは過少申告の件数は少なくなったと言われています。
〇LIVゴルフはもっと”合理化”に
そこに行くと、LIVゴルフではどうでしょうか。
LIVゴルフは3人1組でラウンドし、自分のスコアをカードに記録する他に、各組に1人ずつ公式の記録員がいるスタイルになっています。
まるでメジャー競技さながらの様相です。
そしてラウンドが終わったら公式の記録員と自分が付けたスコアカードを照合し、記録員とスコアが合っていればその場でカードに自分のサインをしてラウンドが終了。
わざわざアテストエリアに集まってアテストを行うという、煩わしい作業をやらなくて済むという大きな利点があります。
おそらくですが、記録員はタブレットを持参し、大会本部から送られるショットリンクとスコアが逐次アップされた情報を見つつ、それと選手の実際のプレーを照合させる方法だと考えます。
そうすることによりプレー終了後の選手も、いちいち面倒なことをしなくても済み、精神的にもより安定することでしょう。
〇ゴルフの伝統を重んじるのもいいが、やはり選手ファーストならばこの考えもいいのではないか
最終責任はプレーヤー自身にある、プレーヤー自身は競技者でもあり審判者でもある。
ゴルフの伝統はこの精神によってこれまで続いてきました。
確かにこの精神も大切で、これが悪いということは全くありません。
しかし現在はいろいろなスポーツ競技で”選手ファースト”になっているのも事実。
選手がよりよくプレーできる環境を作り出し、新たなゴルフの魅力を後世に伝えて行くことも重要なのではないでしょうか。