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2024年8月の記事一覧
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「パリのちいさなオーケストラ」
映画『パリのちいさなオーケストラ』公式サイト https://parisorchemovie.com/ パリ近郊の音楽院でビオラを学ぶアルジェリア系の少女ザイア 市内の名門音楽院に最終学年で編入を認められる 同時に世界的指揮者に師事し指揮者を目指す しかし女性指揮者は世界でわずか6%しかいないという事実。 指揮の練習にも音楽院の生徒たちは協力的ではない。 それではと、自分のオーケストラの組成を試み パリ市内の上流家庭出身の生徒たちと移民の多いパリ近郊の地元の友人をまとめ、 垣根を超えたオーケストラを結成。 主人公は 音楽院、指揮のレッスン、オーケストラの創設 そして障碍者施設での演奏教室。 ダウン症の子供がチェロに興味を持つ、 彼女たちはその子ができることを見出しチェロの演奏を教える。 そして 作品の大団円は 彼女が組成したオケだけではなく 多くの仲間が集まり ラベルのボレロを。 その中にはあのダウン症の子も笑顔で参加している。 これこそが 軽やかな身のこなしからvolar(飛ぶ)という言葉に関連があるという説の ボレロなんだよ!と、ぼくは思う! また 作品の宣伝コピーには 人種差別、性差別、階級の不平、貧富の差 等に フォーカスした表現が主軸に見られるが 僕はそう思わない。 別に多様性に反するつもりはない、 ただし、純粋に この映画は 移民だろうと、女性だろうと、出実がどうであろうと 目指す道を信念をもって進むこと、その力強さが 何おも越えられるという人間の持つすばらしさを現わしてくれているのだと。 ところで 「果たして指揮者は必要なのか?」 僕自身常に思っていたこの問いかけに 作中で世界的指揮者は答える。 「ちゃんと練習をしていれば確かに不要だ。 だが、指揮者がいなければオーケストラのエネルギーが分散する」 これに僕の長年の疑問が晴れた。 また、マエストロはこうも言う 「指揮者が演奏者を信じなければ、演奏者も指揮者を信じない」と。 「実話」 モデルとなる「ディヴェルティメント・オーケストラ」 ザイア・ジウアニが 1998年にパリとセーヌ・サン・ドニの音楽院の学生や指導者と一緒に設立。現在も70人程の団員を有し、年間約40のコンサートを開催している。 2024年9月20日 公開 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 今月試写した映画: 「ヒューマン・ポジション」 https://position.crepuscule-films.com/ 2024年9月14日 公開 「シサム」 https://sisam-movie.jp/ 2024年9月13日 公開 「ナミビアの砂漠」 https://happinet-phantom.com/namibia-movie/# 2024年9月6日 公開 「本日公休」 https://www.zaziefilms.com/dayoff/ 2024年9月20日 公開 「チャイコフスキーの妻」 https://mimosafilms.com/tchaikovsky/ 2024年9月6日 公開 「ヒットマン」 https://hit-man-movie.jp/ 2024年9月13日 公開 「ジガルタンダ・ダブルX」 https://spaceboxjapan.jp/jdx/ 2024年9月13日 公開 「ぼくが生きてる、ふたつの世界」 https://gaga.ne.jp/FutatsunoSekai/ 2024年9月20日 「SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース」 https://www.transformer.co.jp/m/songofearth/ 2024年9月20日 公開 「パリのちいさなオーケストラ」 https://parisorchemovie.com/ 2024年9月20日 公開 「画家ボナール ピエールとマルト」 http://bpm.onlyhearts.co.jp/ 2024年9月20日 公開 「西湖畔に生きる」 https://www.moviola.jp/seikohan/ 2024年9月27日 公開 「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー」 https://kinocinema.jp/minatomirai/movie/movie-detail/796 2024年9月20日 公開
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「SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース」
映画『SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース』9月20日(金)公開 https://www.transformer.co.jp/m/songofearth/ 北欧の神髄 言葉少なく、装飾少なく 的を貫くドキュメンタリー。 北欧、その中でも特にフィヨルドの素晴らしい姿を持つノルウェーの中西部の山岳部 「オルダーレン(オルデン)」地方。 ネット上にも詳しい資料がないので 観光会社のHPですが 位置も含めて確認ください。 2024年 オルデンで絶対外さないおすすめ観光スポットトップ10 - トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attractions-g2148176-Activities-Olden_Stryn_Municipality_Sogn_og_Fjordane_Western_Norway この自然の素晴らしい地に暮らす老夫婦の1年にわたる生活を追ったドキュメンタリー。 ともかく、この自然があれば、映し出せばそれで十分と思わせる映像に 心豊かにさせてくれる老夫婦の言葉、 「自然は人生の舞台」 「自分が幸せなら周りの人も幸せを感じる。何よりも大切なのはともに幸せなこと」 満喫です。 カメラは総勢9人 音楽は氷河や湖の音を譜面に起こしてオーケストレーションで奏でる。 監督はこの夫婦の娘であるマルグレート・オリン。 製作総指揮には「ベルリン・天使の詩」などの巨匠ヴィム・ヴェンダースとノルウェーを代表する名優リブ・ウルマン。 2024年9月20日 公開
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「ぼくが生きてる、ふたつの世界」
映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』公式サイト https://gaga.ne.jp/FutatsunoSekai/ コーダ(CODA)には全く違う2つの意味がある。 聴覚に障害のある両親を持つ 聞こえる子供(コーダ:CODAと呼ぶ)が主人公。 聞こえる世界と、聞こえない世界(手話の世界) その両方で生きる 原作者、五十嵐大自身の物語。 両親から受ける温かさと、それに寄り添い想う世界が 観る私たちの心を幸せな気持ちに満たしてくれる、です。 時には反抗する時期も、 地元、宮城の親元を離れた 五十嵐大は東京へ。 その姿は ドラマティクでもなく どちらかというとアウトロー的にとつとつと生きる。 東京でも手話の世界に接することで思いをはせた故郷は、 母、そして家族の愛が満ちていたんだと気が付く。 こうした大の姿を主演の「吉沢亮」 母役は実際に耳に障害がある「忍足亜希子」 が好演する。 特に祖父役の「でんでん」がさすが、 ともするとモノトーンになりがちな(実際に無音の場面が多いし)場に キラッとした色を加えてくれている。 コーダ(CODA)には全く違う2つの意味がある。 聴覚に障害を持つ親の元に生まれた聞こえる子どものことをコーダと呼び ・・・CODA, Children of Deaf Adults からきている・・・ そして日本にはそうした子供が2万人以上いることも 本作知った。 もう一つは良く知られた音楽用語。 クラッシック曲のラストに 主題部とは違う形でつくられる部分。 因みにこちらの語源はラテン語のcauda「尾」を意味する語に由来するそうだ。 そして すぐに思いつく映画で 「コーダ あいのうた」 コーダ あいのうたのレビュー・感想・評価 - 映画.com https://eiga.com/movie/96041/review/ 2022年・第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞の3部門を受賞 を受賞したこの作品は 見事にこの2種類のコーダ(CODA)を作品に込めた名作だった。 本作「ぼくが生きてる、ふたつの世界」と「コーダ あいのうた」 共に配給は「GAGA」。 2024年9月20日 公開
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「本日公休」
9/20公開『本日公休』公式サイト https://www.zaziefilms.com/dayoff/ ほっとする映画って大切だよね。 台湾の台中にある昔ながらの理髪店での物語。 女性店主は40年にわたってこの店で地元の常連客の髪を切ってきた。 この場所は理容室であると同時に地元民たちにすると憩いの場、交流の場でり 主人公としては無くてはならない人と場所。 女手で育て上げた3人の子どもたちはそれぞれ独立しているが 世代ギャップと生き方の違いかぎくしゃくが目立つ。 そんなある日 かつて通ってくれていた常連の老人が 遠方に越し病に倒れたと聞き 彼女自ら道具一式をもって老人所へ向かう。 どこにもありそうな ちょっとした出来事 おもわず微笑んでしまうエピソード それを映画に閉じ込めて 僕たちの心にほっこりとした風を送ってくれる。 監督のフー・ティエンユー/傅天余 1973年9月13日台中生まれ。 自分の母親をモデルにこの物語を書いた。 間違いなくここには 何度か書いている 僕の好きな 小津安二郎であり荻上直子の世界。 きっと彼らの世界が好きな人なんだろうなと、 優しい人間ドラマが好きなあなたへ。 2024年9月20日 公開
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「シサㇺ」
映画『シサㇺ』9月13日(金)全国公開 公式 https://sisam-movie.jp/ 「シサㇺ」とはアイヌ語で「隣人」のこと。 和人は悪いシサㇺなのかそうではないのか・・・・ アイヌと江戸幕府を舞台に 日本の本来持つ多様性 色々な面で問いかけてくれる社会派作品。 江戸時代前期、幕府の松前藩は、現地のアイヌとの交易で多くの利を得ていた。 それは不公平な条件下で行われ、さらにはその地を踏み荒らしたことにより アイヌ達の怒りは増し一触即発の危機を含んでいた。 微妙な時代背景のもと 主人公である松前藩士の子息である兄弟はアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしている。 ある日、兄は使用人の不正を暴くが、逆に殺されてしまい、犯人は蝦夷地へと逃亡する。 復讐のため蝦夷地へ向かった弟、孝二郎、彼も大きな傷を負うがアイヌに救われ九死に一生を得る。 そこでアイヌの異なる文化や風習に出会い理解しあらたな人生観を得る。 松前藩とアイヌとの激しさを増した争いの中で主人公、孝二郎のとった行動は。。。 驚くべきは アイヌ役の演者は全編アイヌ語で語り通している。 このような作品は今まであっただろうか、 その考証背景は素晴らしい。 配役は 寛一郎。共演に、三浦貴大、サヘル・ローズ、古川琴音、要潤、富田靖子、緒形直人など 十分な陣営。 特筆すべきはサヘル・ローズ、 彼女自身が日本へ難民としてわたってきた苦難の人生(ホームレスだつた時期もあったと聞く)が重なる アイヌを演じる名演技だ。 そして、これまた初めて知ったのだが(あくまでも無知な僕で) 見事に主役を演じた寛一郎は本名、佐藤寛一郎 あの佐藤浩市の息子、さらには三國連太郎の孫ということを 見た後に知った。やばいよ、まったく。 監督:中尾浩之 間違いなし!大賞ノミネート。 2024年9月13日 公開 【お勧め情報】 時代と地域的背景、色々とシンクロする読み物として 逢坂剛の 「重蔵始末」のシリーズをお勧めします。 北門の狼 重蔵始末(六)蝦夷篇 Amazon.co.jp: 北門の狼 重蔵始末(六)蝦夷篇 (講談社文庫 お 47-34) : 逢坂 剛: 本 https://www.amazon.co.jp/%E5%8C%97%E9%96%80%E3%81%AE%E7%8B%BC-%E9%87%8D%E8%94%B5%E5%A7%8B%E6%9C%AB-%E5%85%AD-%E8%9D%A6%E5%A4%B7%E7%AF%87-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB/dp/4062773848 逆浪果つるところ 重蔵始末(七)蝦夷篇 Amazon.co.jp: 逆浪果つるところ 重蔵始末(七)蝦夷篇 (講談社文庫 お 47-37) : 逢坂 剛: 本 https://www.amazon.co.jp/%E9%80%86%E6%B5%AA%E6%9E%9C%E3%81%A4%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%93%E3%82%8D-%E9%87%8D%E8%94%B5%E5%A7%8B%E6%9C%AB-%E4%B8%83-%E8%9D%A6%E5%A4%B7%E7%AF%87-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB/dp/4062930080 また 是非こちらにも行きたい 「ウポポイ」 ウポポイ(民族共生象徴空間) NATIONAL AINU MUSEUM and PARK – ウポポイ(民族共生象徴空間)公式サイト https://ainu-upopoy.jp/