
- 運営しているクリエイター
2023年11月の記事一覧

「ただ空高く舞え」
ただ空高く舞え : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/99445/ アマゾンがインド市場で配信! ストーリーは インドの多くの障害、カースト制度だけではなく、を超えて 初の格安航空会社「エア・デカン」のを立ち上げた男たち3人の実話をベースに実写化。 今回記したいのは内容ではなく枠組みに関して。 冒頭のクレジットで「アマゾン・プライムビデオ」が提供しているような表記があった。 昨今言われている配信事業者による映画製作への参入も いよいよインド市場へとなってきたんだな、と思わずにはいられなかった。 観た後にプレス資料を調べると、この映画におけるその流れはそう単純なものではなかったことが分かった。 本作は2019年公開で進んでいたが製作が遅れ さらに完成時にはパンデミックにより劇場公開が無期限延期となった。 そんな中で2020年10月にAmazon Prime Videoで配信されることで製作陣は救われ 同時に劇場公開は中止となった、という事だった。 特にインドでは劇場公開を望む多くのファンを失望させたが、 アマゾン配信によりタミル語、テルグ語、マラヤーラム語、カンナダ語、ヒンディー語吹き替え版が作成された。 これもOTT戦略ゆえの包括的な施策だろう。 ・・・本試写でも何語だかわからないが、すでに吹き替えバージョンになっていて、それに日本語字幕という何とも不思議感があった。 そして 結果2022年2月劇場で再公開することが決定し、この度日本でも公開と相成ったということのようだ。 配信と劇場公開 色々な意見はあると思うが 特に インドというこれからの広大な市場、多言語国家 そこにアマゾンをはじめ多くのデジタル企業が鵜の目鷹の目で爆走入してくる現実を垣間見れたような気がする。 2024年1月6日 公開

「きっと、それは愛じゃない」
映画『きっと、それは愛じゃない』公式サイト - 12月15日公開 https://wl-movie.jp/ 小粋なラブコメディー、 ロンドンに暮らすイギリス人家族とそ、パキスタンをルーツに持つ隣家族 そこで育った幼馴染の男女二人を巡るストーリー。 そこにはシンプルな恋物語だけではなく 宗教、民族性など 本来はナーバスな要素も取り入れ、 でも気持ちよく仕立てている作品。 配役 恋愛に関して結果外ればかりの主役ゾーイは『シンデレラ』のリリー・ジェームズ 家族のために、親が選んだ相手と結婚しようと決意する助演カズは「スター・トレック:ディスカバリー」のシャザド・ラティフ ゾーイの母親にはオスカー女優エマ・トンプソン 監督 アカデミー賞7部門にノミネートされ、『エリザベス』では世界的監督シェカール・カプール 映画製作会社 イギリスの「ワーキング・タイトル・フィルムズ」 この会社はあの『ブリジット・ジョーンズの日記』をはじめ『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』等々数多くのヒット作を生み出している。 その彼らの新作、ということでこの会社の作風が生かされているものになっている。 最後に 脚本とプロデュースを務めたジェミマ・カーンに関して調べてみた。 イギリス出身のイギリス人ジャーナリスト、ライター、テレビプロデューサー、 そして慈善団体や人道支援団体の支援者でもある社会活動家。 更には イギリスの著名なゴールドスミス家の出身という超セレブ、 元夫はパキスタンの元首相であるイムラン・カーン。 !!なかなかの人のようですね。 そして 彼女の本作に関してのコメントがシンプルにその内容を表している。 「現代の厄介さを描き出したい」 2023年12月15日 公開

「枯れ葉」
映画『枯れ葉』公式サイト https://kareha-movie.com/ 本年の極楽試写100本目の作品は区切りにふさわしく 来ましたねー ご存知、フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキの5年ぶりの作品。 「ご存知」とは書いたがご存じない方の方が多いのが現実かも。 ともかく、いわゆる単館系映画好きにはご存知の巨匠と言って過言ではないと思います。 ヘルシンキで暮らす孤独な男女がふとしたことから知り合い、愛をはぐくんでいくまさに大人のラブストーリー。 カウリスマキというとフィンランドの労働者たちを描いた 「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」の3作で知られるが 本作はそれに連なる4作目。 主演はムーミンの生みの親として知られる、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの半生をつづった「トーベ」で主演を演じている アルマ・ポウスティ TOVE トーベ : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/94235/ また、複数使われてる劇中歌のそれぞれが効果的にストーリーの深さを増していることも見どころ、詩が意味深です。 (よくわからないのだが、冒頭に何故か日本の「五木の子守歌」をフィンランド語(たぶん)で唄っているのが流れるが あれは何だったんだろう?そんなのあるの?と、調べてもわからなかった) またカウリスマキといえば小津安二郎を敬愛していることはよく知られているが 本作は当に小津作品の流れを汲んでいると言って間違いない。 全体から醸し出されるものは小津のあの世界観と同じ。 で、それは具体的には何なんだろう、と今回みてみた。 例えば 前に大林宣彦が言っていて知った小津映画の特徴である 主演の視線をあえて合わせないカット割り カウリスマキは見事に取り入れてるんですね、等々。 ・・・・ カウリスマキというと 僕は「ル・アーヴルの靴みがき」も好きだな ル・アーヴルの靴みがき : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/57822/ 2023年12月15日 公開

「マイ・ファミリー 自閉症の僕のひとり立ち」
映画『マイ・ファミリー 自閉症の僕のひとり立ち』公式サイト 11/25(土)~12/8(金)、新宿K’s cinemaにて上映 http://www.pan-dora.co.jp/myfamily/ 自閉症というハンディキャップに対して 私たちに問いかけられているのか 何を どうすれば どうなるのか もちろんそこに明確な答えは無い。 でも、問いかけられる、続けられること自体に 大事な本質が含まれているのだと思う。 それは自閉症だけでなく、あらゆるハンディキャップに対して。 と、文章がどうしても固くなってしまうが。。。。 本作は オランダに暮らす自閉症の男性ケース・モンマの 42歳から50歳の現在までを追ったドキュメンタリー。 軸となるのは彼の自立。 同居、支援してくれる両親は老い 常に「いずれは」という単語が脳裏を横切る。 なのでケースの「自立」が不可欠に。 両親、兄弟、支援ボランティア等 彼を取り巻く人々とのリアルなやり取り それは実は暗くなる要素が多い内容であるにもかかわらず 本作は観る側を温かくほっこりした気持ちにさせてくれる。 逆に言うと とんでもなく大変な介護の実態を見せずにこのようなドキュメンタリーは? という見方もあるかもしれない。 が、僕は ハンディーがある彼と彼を取り巻く人々の困難や苦労を 温かく見つめ、包み込むようにしていく取材、表現、視点だからこそ こちらに実はズシンとくるものがあるのだと思った。 監督のモニーク・ノルテは オランダのドキュメンタリー作家であり ドキュメンタリーを通じて社会問題の解決を目的とするプラットフォーム「Doclines」CEOでもあるとのこと。 実は1997年から26年間にわたりケースと両親の関係を撮り続けている。 前作『ケースのためにできること』は、本国オランダで延べ450万人が見、のちにTVシリーズ化されるまでの話題になったという。 さて 本年試写した映画で ハンディのある人たちをテーマにした作品を思い出した。 紹介はしていないので改めて。 フランス映画で 「アダマン号に乗って」 アダマン号に乗って : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/98822/ こちらは精神障害の支援施設の話で さらに直接的な内容の作品だった。 また 自閉症関係の本で 衝撃を受けた書籍を紹介しておきたい。 これはなんと、自閉症の本人が書いたもので 書籍発売以降 彼の活動は多方面で話題になり今に及んでいる。 「跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること」 Amazon.co.jp: 跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること (角川文庫) : 東田 直樹: 本 https://www.amazon.co.jp/%E8%B7%B3%E3%81%B3%E3%81%AF%E3%81%AD%E3%82%8B%E6%80%9D%E8%80%83-%E4%BC%9A%E8%A9%B1%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%84%E8%87%AA%E9%96%89%E7%97%87%E3%81%AE%E5%83%95%E3%81%8C%E8%80%83%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%B1%E7%94%B0-%E7%9B%B4%E6%A8%B9/dp/4041068991/ 最後に参考に: 「表現」 自閉症 障碍者 障害者 ハンディキャップ 国際条約では、障害者の障害に関して「Impairment(機能不全)」「Disability(能力不全)」という言葉が使用されている 極楽映画大賞 本年ドキュメンタリー部門ノミネート 2023年11月25日 公開