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極楽試写会

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新作映画の試写会の案内もオンラインでの試写が増え、 気軽に自分なりに選んだ作品の試写をしております、 極楽気分で。 そんな中、皆さんにも見てほしいなと思った作品を紹介したいなと
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2023年5月の記事一覧

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「波紋」

映画「波紋」公式サイト 5月26日(金)公開! https://hamon-movie.com/ 監督:荻上直子の新たな境地 昨年の「極楽映画大賞受賞監督」(この表現、手前味噌かな?)。 荻上作品のファンを公言している僕、 そんな自分が 本作を見始めて最初は(?、なんかいつもと違う)と感じた。 荻上作品といえば、それはそれは魅力的な世界、、、で、 ほのかな空気、微笑み、エスプリ、時には少しびくっとさせられたりも、 心にしみ込むハートウォームな映画だ。 でも本作は違った。 そしてすぐに荻上直子は新たな境地に進出している、と感じた。 テーマはけっして僕の好きではないジャンルであったのだが、 が、監督の手にかかると自然に引き込まれされてしまう、さすがとしか言いようがない。 不治の病、新興宗教、老年、貧困、認知症、更年期障害、ゴミ、ペット問題、偏見、差別等々 現代の社会問題を多岐に取り上げ しかも、それがどれも重い題材であるにもかかわらず 見る側を自然自然に引き込ませてしまう 映像作品、映画作品にする手腕に敬服。 各役者の演技のすばらしさは今更語ることは不要か・・・でも 主演の第三舞台出身の筒井真理子、助演の、名バイプレイヤーの光石研、仮面ライダーデビューから実力派へ磯村勇斗、 難聴障害を持ちながら障害を持つ人たちの希望になりたいと女優として大活躍する津田絵理奈、安藤玉恵、江口のりこ、平岩紙、木野花、キムラ緑子 そしてポイントで登場する柄本明、 そしてそして、公式資料のキャスト欄には記されていない、ムロツヨシ、荻上前作で名わき役を演じた彼がワンシーンだけ登場。 このシーンだけで(ああ、やっぱ荻上作品だ)と思わせてしまう味を披露。 「全員、実力派。全員、ヤバイ。」このコピーに嘘は無い! 特にこのような実力役者を起用する若手自称監督にはぜひ何回も見てほしいい! この作品をどう終わらせるのだろう?と 推測とも予想とも不安ともつかない想いで見続けていくと ラストはそう、「さすが!」 監督の本作へのコメントの最後にこうある 「私は、この国で女であるということが、息苦しくてたまらない。それでも、そんな現状をなんとかしようともがき、映画を作る。 たくさんのブラックユーモアを込めて。」 2023年5月26日 公開

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「MEMORY メモリー」

映画『MEMORY メモリー』オフィシャルサイト 2023年5/12公開 https://memory-movie.jp/ 前も書いたが この手の作品はあまり見ないが でも リーアム・ニーソンだと見ちゃう。 しかも アルツハイマーを発症している殺し屋 ターゲットや敵とだけではなく 病(記憶)と闘う男として。 監督がマーティン・キャンベル。 ピアース・ブロスナンの「007 ゴールデン・アイ」アントニオ・バンデラス「マスク・オブ・ゾロ」 ダニエル・クレイグ「007 カジノ・ロワイヤル」 の監督とくればもはや敵なしだ。 共演の ガイ・ピアース「L.A.コンフィデンシャル」 モニカ・ベルッチ「007 スペクター」・・・僕としては「シチリア!シチリア!」が感慨深い作品だ、 なんてったって 「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督と音楽はエンニオ・モリコーネ作品。 ともかく 監督、わきを占める名優 鉄板ですわ。 2023年5月12日 公開

極楽試写会:番外編「生誕120年 没後60年 小津安二郎展」

神奈川近代文学館で開催されている 「生誕120年 没後60年 小津安二郎展」 特別展「生誕120年 没後60年 小津安二郎展」 | 神奈川近代文学館 (kanabun.or.jp) 極楽試写、本年も4月で40作品近くになった(紹介は18作)。 でそれはそうとして これは見なければと GWに行ってきました。 作品と人にまつわる貴重な資料が存分に堪能できる展示内容だった。 小津の語った言葉に強くひかれた。 特に 「どうでもよいことは流行に従い、重大なことは道徳に従い、芸術の

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「ハマのドン」

映画『ハマのドン』公式サイト http://hama-don.jp/ 玉石混淆のワルなのか、清濁併せ呑む勘違いされてきた騎士なのか。 横浜を舞台にしたIR、カジノ誘致に関して 反対の先導に走った「ハマのドン」こと 藤木幸夫を追ったドキュメンタリー。 横浜市民の僕としては このドキュメンタリーの主人公のことは 「藤木のオヤジ」という呼称でのうわさをよく耳にしていた。 しかもだいたいよくない噂を。 横浜の利権が絡む事案の話題となると 必ず「藤木のオヤジが、どうのこうの(よくない意味での批判を含んだ語尾を伴って)」と。 例えば港湾関係はもとより、政治関係、公共施設関係(横浜スタジアム等)、はたまたメディア関係(FM横浜等) に絡む話のときには必ずと言ってよいほど。 自然、僕としては正確な情報根拠なく「悪い人」との印象を持っていた。 本作に間違いがないとすれば ・・・キー局が制作しているドキュメンタリーなのでその点は信頼してよいと判断できる・・・ 僕の個人的印象は間違いだったということが分かった。 確かに彼の活躍した場はまさに政治がらみの既得権が物を言う世界 ゆえにその場を仕切る人物には、意味を曲解したような悪い意味での妬みや噂が付いて回るのだろう。 ゆえに僕のような市民に聞こえてくるのは 先のような噂だった。 本作は この人物の人となりを好き嫌いで判断するのではなく 印象で可否を決め付けるのではなく 行ってきた、話していた真の言動を 正確に伝えてくれた秀作である。 それにしても 登場してくるそれぞれの人の顔を見ていて思った事は「顔つき」って大事。 顔のつくりの良し悪しではなく 良い「顔つき」の人とそうでない人って 一目瞭然だな、と感じたのは僕だけだろうか。 2023年5月5日(金)公開