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極楽試写会

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新作映画の試写会の案内もオンラインでの試写が増え、 気軽に自分なりに選んだ作品の試写をしております、 極楽気分で。 そんな中、皆さんにも見てほしいなと思った作品を紹介したいなと
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2023年4月の記事一覧

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「ライフ・イズ・クライミング!」

https://synca.jp/lifeisclimbing/ 映画により気づかされる事。 ドキュメンタリー。 全盲のクライマー小林幸一郎と、彼の視力代わりのサイドガイド鈴木直也。 サポートの声だけを頼りに果敢に岩を登る。 パラクライミングで4連覇を成し、2021年にユタ州に立つ奇岩に挑戦。 シンプルだが説得力のある作品。 僕は ロック・クライミングは尊敬するのに対して ボルダリングはなんだかなじめない感がある、無知からくる偏見? 前者の一つのジャンルではある後者は、 どちらかというと人工の壁を登るインドア・ボルダリングジムでのイメージが強い。 そうした手軽さがあり昨今広まったといえる。 異論はあると思うが(僕には) 実際の岩を制覇して(ロープなどのギアの使用の有無があったとしても)ナンボのもんじゃ! でありインドアで行われるボルダリングはどうしてもロッククライミングのための「訓練、練習」 に感じたからだと思う。 だからと言って 両方ともそれを制すということは 本当にすごいことだということは間違いない。 そして本作を見て 主人公がパラクライミングで4連覇を達成したのはボルダリングだ。 このドキュメンタリーがここから始まり ラストはユタ州にある奇岩へのロッククライミング挑戦へ。 ロックだボルダだとそんな事吹っ飛んで すっきりした。感動した。 テーマ曲のMONKEY MAJIK、良い! 2023年5月12日 公開

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「帰れない山」

http://www.cetera.co.jp/theeightmountains/ イタリア映画良いです。しみじみ良いです。 2001年に始まった「イタリア映画祭」 イタリア映画祭2023 公式サイト:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/italia/2023/ この時期(ゴールデンウィーク)に有楽町で開催される。 コロナ前にはここに毎年足を運んでいたイタリア映画好きの僕であります。 子供のころに「鉄道員」でイタリア映画に出合い、 「道」でフェデリコ・フェリーニの洗礼を受け 20代で「ニュー・シネマ・パラダイス」に涙し イタリア映画祭で「家の鍵」 家の鍵 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/52956/ にやられ・・・・ さて本題です: 北イタリアの山麓で出会った2人の少年 時を経て再会し、はぐくむ友情の物語。 原作は、イタリアの最高峰「ストレーガ賞」をはじめ、フランス、イギリスそれぞれの文学賞受賞し 世界39言語に翻訳された国際的ベストセラー小説。 舞台は北イタリアのモンテローザ山麓、トリノそしてヒマラヤ山脈。 二人の心の交流と美しい山並み、観る私たちのハートを洗い流してくれる感が。 僕は監督も役者も知らなかったので、以下受け売り。 主演の二人ピエトロ:ルカ・マリネッリ、ブルーノ:アレッサンドロ・ボルギ 共に1980年代半ばの生まれの30代後半で本国では認められた実力派。 監督・脚本はともにベルギー出身のフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンとシャルロッテ・ファンデルメールシュ 本作で第75回カンヌ映画祭審査員賞受賞。 原題は「LE OTTO MONTGNE / THE EIGHT MOUNTAINS」で「8つの山」という意味。 これが何を意味するかというと 古代インドの世界観で 仏教、バラモン教、ヒンドゥー教にも共有される概念で 『世界の中心には最も高い山須弥山(スメール山、しゅみせん)があり、 その周りを海、そして8つの山に囲まれている。 8つの山すべてを登ったものと、須弥山に登ったもの、 どちらがより多くのことを学んだのか?』 ピエトロはネパールでこの話を知り、ブルーノに問いかける。 ・・・・さて、物語は。。。 PS 今年のGWは有楽町に行ってくるぞ!

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「ウィ、シェフ!」

https://ouichef-movie.com/ 仏、重いテーマの移民問題を微笑みをもってクリア ここんところ 続けてフランス映画にやられた。 今回は「移民問題」をベースに フランス文化の代表「食」を通じて 笑いを添えてクリアさせる ハートフルストーリー。 腕は一流だが自己が強く店と大喧嘩をして飛び出した女性シェフ・カティが 次に就くのは移民少年の支援施設での食堂。 時限措置での仏国滞在を許可されている彼らは 語学、就学等クリアできないと本国へ強制送還される危うい立場。 この2者が繰り出す物語、見事。 監督はタランティーノ、スコセッシなどのもとで助監督経験を積んだ39歳のルイ=ジュリアン・プティ。 この若さがはつらつとしたこのストーリーを作り上げているのは間違いない。 また 移民役の40名は実際の移民施設からスカウトされた少年たち、ということだ。 原題の「La Brigade」は「旅団・作業チーム」という意味か 英題:「Kitchen Brigade」も同様の「キッチンの旅団・作業チーム」 だと思う。もちろんこれは良いが 僕は 邦題の「ウィ、シェフ!」良いと思います。 「料理がハートを熱くする、ドラマチック・キッチン・コメディー」 2023年5月5日 公開

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「聖地には蜘蛛が巣を張る」

https://gaga.ne.jp/seichikumo/ イランに巣くう根の深いジェンダー問題をえぐり出す イランの聖地マシュハドで殺人鬼“スパイダー・キラー”が 16人もの娼婦を殺害した連続殺人事件からの着想された本作は 単なるクライム・サスペンスではない。 監督はイラン出身で北欧を拠点に活躍するアッバシ監督、 北欧ミステリー『ボーダー 二つの世界』で、 カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリを受賞した北欧ミステリーの鬼才。 撮影地はイランでの許可が下りず、ヨルダンのアンマン。 主演はザーラ・アミール・エブラヒミ。 彼女自身性的スキャンダルの被害者となり、 国民的女優として成功を収めていたイランからフランスへの亡命を余儀なくされた。 一方、彼女が演じるジャーナリストの主人公ラヒミにも、 性差別的なスキャンダルで不当に職を追われた過去があるという設定で 自身の人生に重なる鬼気迫る演技だ。 イスラム、イラン世界に存在する信じられないようなジェンダー問題 「人間の深淵に潜む狂気を極限まで掘り下げた作品」。 事の発端から結果に至るまでつくろうことなく表し 実情を私たちに知らしめてくれる。 第75回カンヌ国際映画祭 女優賞 アカデミー賞デンマーク代表作品 2023年4月14日 公開