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極楽試写会

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新作映画の試写会の案内もオンラインでの試写が増え、 気軽に自分なりに選んだ作品の試写をしております、 極楽気分で。 そんな中、皆さんにも見てほしいなと思った作品を紹介したいなと
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2023年2月の記事一覧

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「ブラックライト」

https://klockworx-v.com/blacklight/ たまには このような種類の映画の紹介もよいのかな。 クライム・アクションの正道を行く作品。 実はアクション物とかSF物とかには 普段あまり縁がないのですが と言いながら、 実は今作のリーアム・ニーソンや ジェイソン・ステイサム、ブルース・ウィリス(先日のニュースはショックでしたが) 見れるんですね、好きだから。 そんな中でも特にリーアムは良いねぇ。 リーアムは 『96時間』、『フライト・ゲーム』などのアクションだけでなく ご存じ『シンドラーのリスト』ではアカデミーの主演男優賞ノミネートと 役の幅と実力はいまさら言うことは無いのですが、でも言いたい、 僕は彼の「親としての本能的な魅力」に魅かれるんだと。 本作では親から更にUPして家族を守る「祖父」。 そこがまたいい味出してるんです。 ショーン・コネリーを筆頭にこういう人物に憧れますね。 監督は『ファイナル・プラン』でリーアムと組んだ マーク・ウィリアムズ。 https://eiga.com/movie/94946/ では フォードやシボレーやアメリカンスポーツカーが似合う心優しきおじいさんに乾杯。 2023年3月3日 公開

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「トリとロキタ」

https://bitters.co.jp/tori_lokita/ 社会問題 ストーリーはシンプルで 今まで何度も語られてきた 移民問題、麻薬問題を軸に展開する。 それがまるで当たり前のように。 こうした事が特別な事でないということが当然問題であるわけだし 何とも救われない内容の物語になっている。 そして 仮の姉弟であり友情で結ばれている トリとロキタを演じる主役の二人が ともに役者としては素人であったということが逆に真に迫る世界を醸し出している。 ただ、 そうした作品ではありながら 監督のこの言葉を読んで救われた気がする。 「この映画は、美しく激しい、決して裏切られることのない、 ある揺るぎない友情についての物語です。」 さて 監督は ダルデンヌ兄弟として知られる ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌの二人。 日本での認知度は今一つかもしれないが 世界の映画祭では数多くの受賞を果たしており 特にカンヌ映画祭では複数回のパルムドール受賞をなしており 本作でも2022年の第75回記念賞を得ている。 特に初出品でパルムドール大賞と主演女優賞を受賞した 『ロゼッタ』は、 ロゼッタ : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/1870/ 本国ベルギーではこの作品をきっかけに「ロゼッタ法」と呼ばれる青少年の ための法律が成立するほどの影響を与えたということを記しておきたい。 映画は力にもなる。 そして最後にもう一つ監督たちの言葉 「 知らず知らずのうちに、私たちの国やヨーロッパに亡命 した子供たちが経験している、暴力的で不当な状況を告発するも のとなりました。」 2023年3月31日 公開

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「丘の上の本屋さん」

http://mimosafilms.com/honya/ ほっこりして、納得して。。。 イタリアの美しい村の丘の上に 溶け込むようにある古書店での ほんの小さな物語。 店主のお爺さんリベロ。 そこを訪れる 国籍、年齢、思想等々の違いを持つ人々に リベロは 「本」を通した「力」というか「ハート」と言ったらよいのか 「それ」が存在することは確かだと彼らに教えてくれる。 そしてこの映画を見る皆にも。 キーになるのが アフリカからの難民である少年とリベロとの 本を通した交流とそこに込められた「本は本当に良い」という思い。 まったく本好きの僕としてはたまらんですわ。 リベロ爺さんを演じるレモ・ジローネ 僕は意識してみたことは今までなかった役者だ。 1948年生まれということは70代半ば 本当にいい味出している。 また 彼以外の役者が 良い意味で演技がうまくはなかったり、 あっさりとしていたりと、 そういうところがこれまた この作品の味を深めているんだと思うんだな。 そして この感触は、、、僕の好きな感触、、、 そうだ!僕が大好きな日本の監督「荻上直子」作品の味じゃないか、と。 「かもめ食堂」 https://eiga.com/movie/41610/ はじめ 昨年の極楽映画大賞を受賞した 「川っぺりムコリッタ」 https://eiga.com/movie/93916/ そうなんだ、この感じ、僕は好きです。 書店の客の中で 特に下手でこれまた良い味を出しているオジサンがいるのだが 彼が本作の監督・脚本のクラウディオ・ロッシ・マッシミ だったということも 見た後で知って納得。 この監督の作品も本作が初めてだったけれど。 リベロは少年に言う、 「本は自分で読んでみなければかわからない。 本は食べ物と一緒、食べてみなければ好きか嫌いかわからないよね」 最後に 本作はユニセフとイタリアが共同製作として参加している。 だからからと憶測してしまうのだが ラストのオチが(ここには書きませんが)、 おっとっと、そう来たか、少々ユニセフ色が、、、、とも。まっ。 ともかく イタリア映画、好きです。 2023年3月3日 公開

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「ワース 命の値段」

https://longride.jp/worth/#home 骨太の作品。 米国:9,11テロで亡くなった人たちに対する国の保証、 そこに挑んだ弁護士の物語。 まず最初に感じたのは 「よくこのような内容の物語、映画を思いついたものだ?」 ということ。 ワカッタ。 そこには実際にこの問題に取り組んだ弁護士の回顧録があったということだ。 主人公マイケル・キートンが演じる弁護士のファインバーグは実在の「調停のプロ」と言われる弁護士で かれの本件に関する回顧録「What is Life Worth」が下地になっているという事だった。 それを見つけた監督たちの目の鋭さはさすがだ。 最初に書いたように このような骨太の作品を監督したのが サラ・コンジェロなのだが 探しても資料が見当たらなくて・・・ まだ若そうな女性の監督のようだが これからの活動に期待します。 主人公マイケル・キートンは言うまでもなく 僕としては助演のスタンリー・トゥッチに俄然注目してしまう。 大好きな映画、トム・ハンクス主演の「ターミナル」で気難しい保安施設の責任者を演じた あの姿が焼き付いている。 「ターミナル」 https://eiga.com/movie/1193/ 少し話がずれるが・・・ターミナルで主人公のトム・ハンクスが違法滞在する理由、 それは JAZZプレイヤーのベニー・ゴルソンをニューヨークに訪ねる、という事だった。 実は僕は23歳(40年以上前!)の時に そのベニー・ゴルソンの演奏をNYのライブハウスで聴き、本人とも話をした経験がある。 なんとなく他人事のように思えなくないんだ、この映画・・・だから何だということではありませんが。 ということで最後に、作品中の被害者家族の言葉 「消防士の命は株取引をしている連中より軽いということなのか!?」 2023年2月23日 公開