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ペルーの学生たちの感情的な疲れ

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は,世界中で多くのインパクトを残しました。大学生にとっても同じです。以前は当たり前に行われていたことが制限され,大学生としての活動も大きく変化しました。最近は元に戻りつつあるのですけれども……それにしても,いつ生まれたか,いつ大学生になったかというタイミングだけで,ずいぶん大きな影響を受けてしまうものです。

さまざまな問題

今回紹介する研究は,南米ペルーで行われた調査に基づくものです。ペルーでも,COVID-19のパンデミックの中で,遠隔授業が大々的に行われたようです。

その中で,さまざまな問題が報告されてもいます。たとえば……。

◎抑うつ:長期間にわたる悲しい気分,不十分さ,無気力さなどに特徴づけられる気分障害。ペルーでも,パンデミック下で多くの大学生が抑うつ傾向を示すことが報告されたそうです。

◎感情的疲労:認知的・感情的資源の不足による精神的な疲労。不眠,やる気の欠如,イライラなどを特徴とする。大学生にもよく見られる状態だそうです。

これらには,オンラインの活動も関連してくるようです。パンデミック下ではどうしてもオンラインの活動が増え,バーチャルメディアに触れる機会も増加します。一方で,オンライン上の活動は抑うつや感情的疲労を増加させるとも言われています。

では,これらの関連について検討した,ペルーで行われた研究を見てみましょう(Academic self-efficacy, self-esteem, satisfaction with studies, and virtual media use as depression and emotional exhaustion predictors among college students during COVID-19)。

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