危険なAIの知ったかぶり

先日，ヨーロッパの学会のオンラインイベントに出席しようとしたのです。日本だと何日の何時からアクセスする予定を入れておけばいいのか，調べたいなと思いました。時差を考えていくのはなかなか面倒ですし，夏時間かどうかということもあります。1時間間違えてしまえばイベントで聞きたいところを逃してしまうかもしれません。

たとえば，次のように学会からのメールに書かれていたりするわけです。

◎Wednesday, 17th May 2023, 15:00-20:10 (CEST)

CESTは中央ヨーロッパ夏時間という時間帯です。ここから日本時間で何時だろう，と考えていくわけですが，大体これくらいかなとはわかるとしても，やっぱり確認したいですよね。

Google Bardに尋ねてみる

とはいえ，Googleにそのまま入力しても，時差の変換サイトが紹介されるだけです。もっと直接，答えが出てきたらいいですよね。

そこでAIに尋ねてみようと思ったのでした。まずはGoogleのBardです。

そのまま「Wednesday, 17th May 2023, 15:00-20:10 (CEST)を日本時間にすると」と尋ねちゃいます。答えは次のように出てきました。

ええ〜！？「日本よりヨーロッパの方が7時間進んでいる」ということは絶対にないですよね……日本とヨーロッパ，どっちの方が日付変更線に近いと考えているのでしょうか。これを信じてスケジュール設定してしまったら，大変なことになりそうです。

ChatGPTに尋ねてみる

なんだか納得がいかないので，Chat GPTにも尋ねてみましょう。質問は同じで，「Wednesday, 17th May 2023, 15:00-20:10 (CEST)を日本時間にすると」と尋ねてみます。

そうですよね。日本よりもヨーロッパの方が7時間遅れているというのが正しそうです。このイベントは日本の時間だと夜の10時からだと思っておくのがよさそうだな，というところですね。

Googleで検索

では，ふつうにGoogleで検索してみましょう。キーワードは「Wednesday, 17th May 2023, 15:00-20:10 (CEST)を日本時間にすると」としてみましょう。

時差計算サイトがヒットしてきました。リンク先で操作をすれば，日本からアクセスするべき時間がわかります。ただ，サマータイムを自分で確認しなければいけなかったりするサイトもあって，少し面倒です。いや便利は便利なのですが，もっと便利そうな仕組みがあると不便に思えてしまうというひとつの例ですね。

やっぱり，AIに直接尋ねる便利な世の中になるのはもう一歩，先のことになりそうです（でもきっと，すぐでしょうけれど）。まだ過信は禁物です。