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抑うつの男女差は男女が公平な国で大きくなる

悲しい気分や罪悪感,落ち込んだりエネルギーが失われたりしたような状態が,抑うつという気分の状態です。よりひどくなると,形容しがたいどんよりとした気分,筆舌に尽くしがたいうっとうしい気分が襲ってきてそれが何日も続くような状態に陥るそうです。

そして,そのことで日常生活に支障が生じると,うつ病の可能性が疑われることになります。

過去12ヵ月間にうつ病や双極性障害(躁うつ病)にかかった人は,日本では1〜2%程度だそうです。少ないように思うかもしれませんが年間で約100万人がうつ病を含む「気分障害」の患者として報告されています。

そして,一般に「女性が多い」といわれているのがこの病気です。実際はどれくらいの男女差なのでしょうか。


抑うつの男女差

うつ病と抑うつ傾向の男女差について,さまざまな観点から検討した研究があります。この論文です(Gender Differences in Depression in Representative National Samples: Meta-Analyses of Diagnoses and Symptoms)。

メタ分析のために,論文の検索からはじめています。データベースで4万6千件以上が見つかり,そこから文献を選択していきました。最終的に158論文が分析に用いられています。そのうち,65論文は大うつ病のメタ分析,95論文は抑うつ傾向のメタ分析に使われました。

結果はオッズ比と効果量(d)で報告されているのですが,これまでのnoteでは効果量で記事を書いてきましたので,今回も効果量で結果を見ていきたいと思います。d = 0.20が「小さな効果」,d = 0.50が「中程度の効果」,d = 0.80を越えると「大きな効果」となります。

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