マインドフルネスに関連する性格特性は何か
心理学から世の中に広く知られるようになった言葉というのは,これまでにもたくさんものもがあります。言葉が広まっていくうちに,もともと心理学の用語だということも忘れられていって,日常的なあたりまえに使われる言葉となっていきます。
知能とか知能指数,精神年齢なんていう言葉も典型的ですし,外向性とかトラウマとか,PTSDとか,それから無意識とか。他にもたくさん,心理学発祥の言葉はありそうです。
マインドフルネス
マインドフルネスという言葉も,ずいぶん広まっています。
意図的に何かの判断をすることなく,今この瞬間に意識を向けてみるということをするのが,マインドフルネスの状態になるコツだと言えそうです。
マインドフルネスとは,今この瞬間のみが自分が手にできるもののすべてであることを理解し,「今」を人生の最大の焦点とすることである。ふだん,私たちは過去と未来ばかりに生きており,「今」にはちょっと立ち寄るぐらいで過ごしているが,「今」にこそ自分の居場所を据えて,人生の現実的側面に対処する必要がある時だけ過去や未来をちょっと訪れるというのがマインドフルネスなのだ。
それは今この瞬間にいつもイエスと言い,人生にイエスと言うこと,現実に身を任せ,受け入れて行動すること。「今・この瞬間」に注意を注ぎ続けることで「今」に感謝し,意識的に生きる技法だと言ってもよいだろう。(p.38)
日常のマインドフルネス
マインドフルネスは一種の技術や技法のようなものなのですが,それを性格のように個人差として捉えることがあります。
たとえば,
◎自分も他の人も同じように思いやる
◎自分の考えを言葉で表す
◎出来事をそのまま受け入れる
◎自分の感情を客観的に見る
◎今の瞬間を感じ取る
◎その時々でやるべきことをやる
といったことが,自然とマインドフルネスに近づいていくポイントのようです。
マインドフルネスに関連する性格
こういった,マインドフルネスの状態に至りやすい個人の特徴というのは,何か性格に関連するものなのでしょうか。マインドフルネスとパーソナリティとの関連は,以前にも取り上げたことがあります。
今回は,ビッグ・ファイブ・パーソナリティとマインドフルネスとの関連をメタ分析で検討した研究がありますので,見てみましょう。この論文です(The mindful personality: A meta-analysis from a cybernetic perspective)。
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