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性格は年齢とともに変化する

以前,性格は何歳で完成すると言えるのかという話題について書きました。

今回は,「じゃあ,全体的にどういうふうに変化していくの?」という研究を見てみたいと思います。

この種の研究で必ず引用されるのが,アメリカの心理学者ソトーらの論文です。

ソトーは,この記事でも登場しました。アメリカの若手パーソナリティ心理学者です。こちらもどうぞ。


もっとデータを!

この論文の調査対象者は,10歳から65歳までの1,267,218人です。日本の論文ではちょっと見たことがないようなサンプルサイズではないでしょうか。約130万人にもおよぶデータを集めているということです。

実はこの研究者たちは大きなデータセットをもっていることで世界的に知られていまして,このデータセットを使いたいがために,世界中の研究者が彼らに連絡をしてくるという構図ができあがっています。このデータセットは現在も拡大しつづけており,数多くの論文を生み出しているのです。

これだけのサンプルがあると,統計的な検定をする意味がありません(何をやってもほとんど統計的に有意な結果になってしまいます)。そこで,論文の中では各年齢の偏差値(T-score)を算出していて,「何歳から何歳までで偏差値いくつ分上昇(下降)」というかたちで結果が示されています。

そして,性格特性が生涯にわたって一定方向へと変化していく可能性を示しました。


オンライン調査

さて,これだけのデータをどうやって集めたのかというと,インターネットを介したオンライン調査です。

オンライン調査は結果が歪むのでは?という疑問もありますが,実際どのような特徴があるのか,紙と鉛筆による調査とどういう点が違うのかについても,同じ研究グループが論文を書いていて,またその論文が多くの研究者に引用されていたりもします。

ビッグ・ファイブの年齢変化

さて,約130万人のデータから,年齢を横軸,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの5つの得点を縦軸にとって平均値のグラフを描いたのが下の図です。男性が実線,女性が二重線です。

ビッグ・ファイブ・パーソナリティの5つの特性は以下の通りです。
・Conscientiousness:勤勉性
・Agreeableness:協調性
・Neuroticism:神経症傾向
・Extraversion:外向性
・Openness:開放性

これだけの人数のデータですので,グラフを見るだけで十分でしょう。ぜひ論文の中でグラフを探して眺めてもらうとよいと思います。

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