楽観性を考える時の複雑さ
割引あり
物事をポジティブにとらえることに関するバイアスや認知的な歪み,構えの傾向については,心理学でこれまでにいくつか研究されてきています。
◎利己的バイアス(自己奉仕的バイアス):成功の原因を自分に,失敗の原因を自分以外に求める
◎平均以上効果:自分の行動や特徴を実際よりも肯定的に捉えること
◎非現実的楽観主義:自分は他の人よりもネガティブな出来事を経験する可能性が低く,ポジティブな出来事を経験する可能性が高いと信じる傾向
ポジティブな錯覚
カジノでギャンブルをするような場面では,他の人がサイコロを振るよりも自分でサイコロを振ったときの方が「勝つ確率が高い」を感じてしまうそうです。こういうことは,当選番号を自分で選ぶことができない宝くじと,ロトくじのように自分で番号を選ぶ宝くじの場合でも見られそうです。
また,大学教授に自分が平均以上の仕事をしているかということを尋ねた調査結果があります。すると,94%以上の教授が「している」と回答したとか。平均以上がそんなにいるわけはありません。
結婚生活が離婚に至る確率を答えさせる場合や,障害のうちに深刻な健康状態に陥る可能性を回答すると,楽観的な回答をする人が多いことが分かります。
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