小学生のときの経験
小学生の頃に夢中になったことって,何がありますか?
小学生高学年の頃の私が夢中になっていたことのひとつは,パソコンでした。でも,今のような何でもできるパソコンではありません。遊ぶにも,自分でプログラムを入力しなければいけませんでした。
遊びの理由
どうしてそういう遊びを始めたのかは,私もよく覚えていません。小学3年生くらいの頃からゲームウォッチというのが流行り始めまして,小6の頃の初代ファミコンが発売されます。
世の中に,コンピュータやゲームが出始め,それらを動かすにはプログラムというものが必要だという認識が広がっていました。なんとなくそれを「かっこいい」と思ったのかもしれません。
MSX
1983年,マイクロソフトとASCIIがMSXというパソコンの規格を作り,日本のメーカーもその企画に沿ったパソコンを多数販売していました。当時は,キヤノンやヤマハやパイオニアなど,いまではパソコンに関係なさそうな企業もパソコンを作って売っていました。
そういう時代の話です。最初にパソコンを買ったのは,小学6年生のときでした。その年,初代ファミコンが発売されて直後に買ったのですが,数ヶ月だけ遊んで小6の正月に売ってしまい,欲しかったMSXのパソコンを買いました。
H2
買ったのは日立の「H2」という機種でした。カセットスロットとカセットテープデッキ(音楽を聴くこともできますが音楽のためではありません)がついていました。
当時のパソコンで何ができたかは,このページでよくわかります。
漢字も入力できないし,データの記録装置はカセットテープですし,絵を描けば色がにじみます(今では想像できないと思うのですが,本当に色を塗ると外に飛び出てくるのです……いや,やっぱり想像できないですよね)。当然,通信をすることもできません。
BASIC
当時はBASICというプログラム言語を使って遊んでいました。学校が終わると友だちの家に行き,雑誌に載っているプログラムを打ち込んで簡単なゲームをして帰ってくる,という遊び方でした。入力したプログラムは,カセットテープに録音して保存するのです。同じ学年で数人だけ,これにハマっている生徒たちがいたので,順番にそれぞれの家に行って遊んでいました。
学校の休み時間も読んでいた愛読書は,マイコンBASICマガジンという雑誌でした。なぜかパソコンを買う前から読んでいたのですが,きっかけは覚えていません。中学生のとき勉強部屋で勉強せずこの雑誌を読んでいたとき,中身を見た母親が「英語の勉強しているの?」と聞いてきたので,「そうだよ」と答えたことを覚えています。確かに英単語ではあります。
パソコンを買う前から,休みの日には友人と自転車に乗って市の中心部にあったデパートのパソコン売り場によく行っていました。販売展示しているパソコンにプログラムを入力して遊んで帰ってくるのです。店員さんもよく見逃してくれていたものです。下手をすると数時間そこに居座る子どもたちがいたのですから。
その後,中学卒業くらいの頃にX1 turboZという,シャープが作っていたパソコンを買いました。その機種はなかなか高機能で楽しかったことを覚えています。
プログラミングを学ぶ効果
子どもたちがプログラムを学ぶことのよい効果についても,研究が行われています。
たとえばこの論文(Programming experience promotes higher STEM motivation among first-grade girls)では,小学1年生を対象にしたプログラム教育の効果を検討しています。
科学(science),技術(technology)エンジニアリング(engineering),数学(math)の頭文字を取ってSTEM教育などと言われることもあります。このSTEM教育にはジェンダーギャップが大きくあり,小学生の段階でもすでに,男子より女子のほうが「苦手」だと感じることが多いようです。小学1年生くらいですと,数学や科学については大きな差はないのですが,ロボティックスやプログラミングとなるとすでに「得意」「苦手」の差がついてしまう傾向があるようです。
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