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社会的地位が高いと幸せになるのか
皆さんは,自分自身が社会の中でどれくらいの位置にいると自分自身で思っているでしょうか。「いまの社会の平均・真ん中を5」として,最低が0,最高が10だとすると,自分の「社会的なランク」はどれくらいだと思いますか?
ぜひ考えてみてください。
主観的な社会的地位
社会的地位をあらわすひとつの指標が,社会経済的地位(socioeconomic status)と呼ばれる数値です。よく使われるのが客観的な社会経済的地位で,年収(個人年収や家庭年収),教育歴(中卒から大学院修了まで),あるいはこれらを組み合わせたりして表現されます。
もうひとつよく用いられる指標が,主観的な社会経済的地位です。記事の冒頭で尋ねたように数字で尋ねるものや,「下流」「中流」「上流」のようないくつかのカテゴリで尋ねる形式のものがあります。
両者の関連は?
どちらの尋ね方でも構わないのですけれども,いずれにしても両者が「だいたい同じ」であることが大切ですよね。両者が同じようなものなのであれば,どちらで尋ねても同じような結果になるはずです。
この「関連が大きいならどちらで尋ねても同じ」という考え方は,測定の妥当性の考え方にも通じるものです。
では,これまでの研究結果では,主観的な社会経済的地位と客観的な社会経済的地位との間の相関係数はどれくらいなのでしょうか。
◎r = 0.30から0.60
ずいぶん幅があるのですが,これくらいなのだそうです。それほど高いわけでも,それほど低いわけでもないといったところでしょうか。ちょっと判断しにくい結果だなあとも思うのですが,シンプルに1項目だけで尋ねている質問にしては,ちゃんと関連するものだとも考えられます。
社会経済的地位と主観的幸福感
一般的に,「豊かな人ほど幸福」と思われているのではないでしょうか。「それはそうだろう」と予想しつつも,「いや,幸せかどうかは経済的な豊かさだけで決まるわけではない」と言いたくなる気持ちも分かります。
では実際に,主観的な社会経済的地位や客観的な社会経済的地位は,どれくらい主観的な幸福感に関連するのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(The association between objective and subjective socioeconomic status and subjective well-being: A meta-analytic review)。
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