一気にドラマを見てしまう人の性格
大量のお酒を短時間で一気に飲むことを,ビンジ・ドリンキング(binge drinking)といいます。そもそも“binge”という単語自体に,「大酒を飲む」とか「どんちゃん騒ぎをする」という意味があるのですよね。
でもこのbingeという単語を使って,binge eating(むちゃ食い,暴飲暴食)という表現になることもあります。このbingeは,短時間に非常に多くの,という意味で使われるということでしょうか。
一気に見る
そして,特にこのコロナウィルス感染症が拡大して自宅で過ごす時間が増えてきたところで話題になっているのが,binge-watchingとかbinge-viewingと呼ばれる行動です。「一気にたくさん見ること」なのですが,アマゾンプライムビデオやNetflix,Huluなどのネットテレビを使って,ドラマのシリーズなどを一気に見ていくことを指します。
気持ちはよくわかります。私も家族も,よくやってしまいますからね……。
一気見に関連するもの
このbinge-watchingに関連する心理状態には何があるのでしょうか。
たとえば衝動性です。衝動性というのは,「悪い結果になってしまうかもしれない行動を,あまり深く考えずに行ってしまうという行動特性」のことです。
衝動性の強さは,アルコールや薬物の乱用,ギャンブルへの依存にも関連しますしインターネットへの依存にもつながることが報告されています。ということはもしかしたら,binge watchingにも関連するかもしれません。
もうひとつは,抑うつ傾向です。binge watchingが依存に近いものなのであれば,ネガティブな心理特性のひとつである抑うつにも関連すると予想されます。
本当に関連するのか
では実際に関連を検討した研究を見てみましょう。衝動性に抑うつ,そしてビッグ・ファイブ・パーソナリティとbinge watchingとの関連を検討した研究です。こちらの論文を見てみましょう(Binge-Watching Behaviour: The Role of Impulsivity and Depressive Symptoms)。
調査に参加したのは,平均年齢30歳の228名(女性が148名)でした。このうち58%が大学卒業以上の学歴でした。調査はドイツでおこなわれています。
ここから先は
日々是好日・心理学ノート
【最初の月は無料です】毎日更新予定の有料記事を全て読むことができます。このマガジン購入者を対象に順次,過去の有料記事を読むことができるよう…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?