HSPに関連するパーソナリティ
感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity)は,HSP(Highly Sensitive Person)の背景にある心理的要因として知られています。「繊細さん」なんて呼ばれることもある,あれです。
HSPの概念は,内向的な性格特性に関連するものとして提唱されました。内向的と関連はするけれども,それとは違うパーソナリティ特性です。
内向性の再評価
特にアメリカ合衆国は,外向的であることに高い価値が置かれている社会です。私なんかは立食パーティに出ても,隅のほうで目立たないようにしている方なのですが,そのような行動は社会的に望ましくなく不適応的だともみなされかねません。
そんな社会の中だからこそ,「内向的な人にも長所がある」という本が何冊も出て,話題になったりするわけです。潜在的には多数の内向的な人々がいて,自分が不適応的なのではないかと悩んでいるわけですからね。
それまであまりスポットライトがあたっていなかったところに焦点をあてるというのが,社会の中で話題になりやすい心理特性の特徴であるかもしれません。
曖昧さ
さて,世の中で話題になっていて,多くの研究も行われている感覚処理感受性(SPS)やHSPですが,その内容は少し漠然とした部分があります。たとえば,本来は内向性に関連した特性であるはずなのですが,これまでビッグ・ファイブ・パーソナリティとの関連を検討した研究結果を見ると,一番関連するのは外向性(内向性の逆)ではなく,神経症傾向だったりします。
そこで,HSPが実際にどのような傾向を測定しているのか,ビッグ・ファイブ・パーソナリティとの関連をしっかりと確認することと,認知的な側面との関連を検討することを試みた研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Conceptual ambiguities and measurement issues in sensory processing sensitivity)。
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