目的を持つ人はより健康に
ビッグ・ファイブ・パーソナリティの中でも勤勉性(誠実性,Conscientiousness)は,計画性や責任感,自己制御,目標志向性などに関連するパーソナリティ特性です。勤勉性が低い人は,計画性に欠けて衝動性が抑制されない傾向があります。そして勤勉性は,心身の健康に関連することが繰り返し報告されています。
目的意識
勤勉性の中のひとつの要素である目的意識は,有意義な生活に従事する指針となる人生の方向性をどの程度認識しているかを指します。そして,目的意識は,自己評価によるより良好な健康に関連することがこれまでに報告されています。
また,心血管疾患や早期死亡リスクを含む客観的な健康アウトカムを予測することも示されていますし,目的意識を向上させることでより健康になるという可能性も示されています。目的意識が高い人は,BMI,運動,身体活動について良好な結果に関連することも報告されています。
誠実さ
物事を整理整頓し,自制心があり,勤勉で,責任感がある傾向を意味する誠実さの側面も,勤勉性の一側面です。誠実性の側面も,目的意識と同様に,目標達成に価値を置く傾向に関連します。
誠実さは,衝動性の抑制に関連しており,不健康な行動を抑制する傾向につながると考えられます。また組織化や秩序を重んじる傾向もありますので,日常生活の中での健康行動に影響する可能性が考えられます。
健康
さまざまな健康に関連する行動が,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの勤勉性やその側面とどのように関連するのかをくわしく検討した研究があります。どのような結果が得られたのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Examining sense of purpose and conscientiousness as unique correlates of health: A bifactor examination)。
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