死に結びつきやすい性格
心理学的な個人差特性で「生きるか死ぬか」を予測する研究というのは,けっこう世界中で行われています。ある時点で心理学的な測定を行っておいて(多くは質問紙調査をするのですが),その後ずっと追跡していって「いつ死ぬか」を測定するという研究です……このように書くとちょっとひどいことをしているように思えてしまうのですが,生きるか死ぬかというのはある意味で究極的な目的のひとつとも言えるのですよね。
パーソナリティと生死
これまでにもビッグ・ファイブ・パーソナリティと「生きるか死ぬか」という問題を扱った研究は行われています。
だいたいは勤勉性(Conscientiousness)が生死に関連する,という研究が多いのですが,中にはもっと細かいレベルで予測する研究も行われています。
さらなる研究
こういう研究は大規模に行われることもあり,なかなか簡単にデータを得ることができるわけではありません。それだけに,複数の研究で結果が一貫しない部分があると「これはどうしてだろう」ということが問題になってきます。
では今回は,この研究を見てみましょう。アメリカのオハイオ州で行われた調査のデータを分析した研究です。この論文です(Domain and Facet Personality Predictors of All-Cause Mortality Among Medicare Patients Aged 65 to 100)。
この研究は,65歳から100までの1444名の男女を対象にした調査に基づいています。そのうち,どこかの段階でビッグ・ファイブ・パーソナリティの測定尺度であるNEO-FFIに回答した1076名を分析対象にしています。5年間の追跡調査をしているのですが,その間に亡くなったのは424名,生きていたのは652名でした。
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