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大学生が就職すると自尊感情が変動しやすい

「卒業したあともたまには大学に遊びにおいでよ」と,卒業する学生によく声をかけるのですが,今年はコロナウィルス感染症のこともあって,なかなか会うチャンスもありません。

でも先日,偶然大学の近くに来ていた卒業生が,たまたま研究室まで来てくれて,しかもその日は私も対面での会議があって大学に来ていたという偶然が重なって,会うことができたという出来事がありました。

それにしても,就職してしばらく経ってから久しぶりに学生に会うと,ずいぶん違った印象を抱くことがあります。なんとなくしっかりすると言いますか,「ああ,社会に出たんだな」という印象を抱かせる変化です。

大学から仕事へ

大学を出て仕事を始めると,実際に何かの変化が生じるのでしょうか。学校のシステムから社会のシステムのなかへと移っていく過程は,青年期後期から成人期前期への移行期ということもあって,発達心理学(青年心理学)の観点からも重要な場面です。

そして,そうした移行を経ると,自尊感情はどうなるのでしょうか。変化しない?上昇する?下降する?就職した学生の様子を見ていると,だいたいがしっかりするのですからなんとなく平均値は上昇しそうなのですが,実際はどうでしょうか。

自尊感情に注目して,大学から仕事へと移行する若者の変化を検討した研究があります。この論文を見てみましょう(Self‐esteem change during the transition from university to work)。

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