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歳をとったと思うと話すスピードも遅くなる

あなたは自分の年齢に比べて,自分自身が若いと感じますか?それとも年をとっていると感じますか?

自分で自分のことを「若い」「年老いている」と自覚することを,主観的年齢と言います。


年老いたと感じると

自分自身のことを「年をとった」と感じることは,さまざまな問題につながってくることがこれまでの研究で明らかにされています。

◎日常生活の活動が限定される傾向
◎心臓血管疾患のリスクが上昇
◎記憶パフォーマンスが低下する傾向
◎認知機能が低下する傾向
◎死亡リスクが上昇

……なかなか,いろいろなことにつながる可能性が示されています。

「自分は若い」と感じることは,とても重要な認識であるようです。


主観的年齢と言葉の流暢さ

お年寄りの姿を真似してみてください。会話のスピードがゆっくりになるのではないでしょうか。それには理由があって,年齢を重ねると言語の流暢さが低下する傾向が見られるからです。

言語の流暢さというのは,ひとつのカテゴリーから多くの単語を短時間に生成することを言います。そしてこの言語の流暢さも,認知能力を大きき反映する指標として知られています。

では,主観的年齢と言語の流暢さとの間にはどんな関連があるのでしょうか。主観的年齢の高さは認知能力の低下に関連するわけですから,やはり言語の流暢さにも関連しそうです。また,主観的年齢の高さは高齢者の健康行動に関連します。身体的な活動性の低さにも関連してきますので,言語の流暢さも低くなってきそうです。

というわけで,中高年を対象とした複数の大規模なデータセットを用いて,主観的年齢と言語の流暢さとの関連を検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Subjective Age and Verbal Fluency among Middle Aged and Older Adults: A Meta-Analysis of Five Cohorts)。

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