
カウンセラーに向いている性格はあるのか
北川景子さんが公認心理師役をする映画がニュースになっていました。
"公認心理師"の役を演じるにあたり北川は、先日行われた完成報告イベントでも「本物の公認心理師の方が見てもちゃんと勉強しているなと思っていただけるようにしたいと、勉強しました」と明かしたように、実際の公認心理師から話を聞き、関連文献などからも徹底的にリサーチを重ねて挑んだという。
「カウンセラーらしさ」を演技するために,リサーチを重ねた様子が書かれています。ということは,「カウンセラーらしさ」というのはなにかまとまりがあって,それらしさを演技することができるものだ,ということになりますよね。
仕事に向く性格
どういう性格の人がどういう仕事に向いているのかという疑問は,昔から尽きないものです。そして,「なんとなくこういうことが言えるんじゃないか」ということを,多くの人が何となくイメージで抱いている問題でもあります。
これまでにも,性格(パーソナリティ)が職業上のパフォーマンスに関連するのかを問題とした研究を紹介してきました。
そこでは,ビッグ・ファイブ・パーソナリティのうちの勤勉性(誠実性)つまり,計画どおりに物事を進めたり,効率化を考えたり,「できる」という感覚をもったりすることが,全体的な職業上のパフォーマンスの高さに関連することが示されています。
特定の職業の場合
では,特定の職業の場合はどうなのでしょうか。そこで,カウンセラーです。
カウンセラーに向く性格と,企業の中でバリバリ働くことに向く性格と,研究者に向く性格というのは,想像してみるだけでもイメージはずいぶん違いそうですよね。でもやっぱり,調べてみないとよくわかりません。
比較対象の重要さ
こういう問題を扱うときには,何と何を比べるのかという観点も重要です。「カウンセラーに向いている性格はあるのか」という問題を検討するのですから,当然,カウンセラーとそうではない人の性格の得点を比較してみようとするのではないでしょうか。
でも,一口にカウンセラーといっても,いろいろなレベルの人がいます。資格を取りたての人なのか,現場でバリバリ働いているカウンセラーとなのか,それによっても結果は変わってきそうです。
カウンセラーの性格は?
では,実際の研究を見て,カウンセラーに特有の性格があるのかを見てみましょう。今回はこの論文です(Psychological counselors' self: An ecological recognition of Big Five personality traits based on column blogs in China)。
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