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知ったかぶり
次のことをどれくらい知っていますか?うろ覚えでも構いませんし,聞いたことがあるんじゃないかな,という程度でも構いません。
世界の都市名を示しますので,「まったく知らない(0点)」「何となく知っているように思う(1点)」「知っている(2点)」,のいずれかの選択肢で答えてみてください。10の都市名を示しますので,すべて知っていれば20点,どれもまったくしらなければ0点になります。では,やってみましょう。
1. ブリスベン
2. レイキャビク
3. サンディエゴ
4. サラエボ
5. ガルザバル
6. デンパサル
7. サンパウロ
8. ケープタウン
9. ボローニャ
10. ウラツホフ
さて,点数を合計してみてください。全体で何点になりましたか?
うろ覚えを点数にする
このような方法は,「何となく聞いたことがあるんだけどな」とか「知っている気がするんだけど」という,うろ覚えを点数にしてみようという試みです。なかなか面白い試みだと思いませんか?
そして……もうひとつ仕掛けがあるのです。
ニセ物の選択肢
5番の「ガルザバル」と10番の「ウラツホフ」は,Googleマップで検索をかけても「見つかりません」となります。つまり,これらはそもそも「存在しない」都市名なのです。
もしかして,この2つの選択肢にも「知っている」「何となく知っているように思う」と回答しませんでしたか?質問は2つで,それぞれに0点から2点で得点をつけますので,0点から4点になります。これを「バイアス得点」とします。
そして,この2項目を除いた8項目の合計得点も計算します。これを「正確さ得点」としましょう。
知ったかぶりの研究
この記事では世界の都市名を使いましたが,同じような構造の尺度があります。それは,Overclaiming Questionnaire (OCQ) と呼ばれる質問紙です。海外の研究で使われているOCQは,150項目でその中には歴史上の出来事や芸術,本や著者名など10のカテゴリが含まれています。そして1カテゴリにつき15項目の名詞が並んでいて,その中に3つの実在しない名称が含まれています。
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