![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/168310042/rectangle_large_type_2_f41ed09ffdf263296bc8f53b5f430a9f.png?width=1200)
インターネット依存を抑制する自己制御
コンピュータやスマートフォン,タブレットなどの過剰な利用や乱用に関連する,典型的なネガティブな現象のひとつが,インターネット依存(インターネット中毒)です。これまでに行われた研究では,世界中で約6%の若者たちが,ネット依存やネット中毒で苦しんでいると推定されています。ネット依存は,もはや世界中で問題になる行動のひとつになっています。
ネット依存
ネット依存は,薬物やお酒やタバコのように,物質を伴う依存ではありません。その点で,衝動をどのように制御するかという行動に焦点が当たった問題です。そして,インターネットへのアクセスに関する抑制が効かないほどの強い関心を抱くことや衝動的であることを伴い,結果的に日常生活上の生涯や苦痛につながる点が特徴です。
思春期や青年期のネット依存は,時間管理に問題を生じさせ,毎日の睡眠や運動,勉学の習慣を乱し,免疫システムを弱め,社会的な人間関係に支障を生じさせ,学業成績を低下させ,抑うつ傾向を高めることも報告されています。
自己制御
外的な要因を目の前にしたときに,思考や感情,行動を抑制し調整する能力やスキルなど幅広い範囲を指して,自己制御と言います。自制心と衝動性という相反する方向性の対処が,自己制御には不可欠だと考える研究もあります。
◎自制心:個人が合理的に行動することを促す
◎衝動性:個人の欲求を満たすことを促す
ネット中毒に自己制御が深く関わると主張する研究者もいれば,無関係だと主張する研究者も存在するそうです。
メタ分析
実際に,両者の間にはどれくらいの関連が示されるのでしょうか。過去の研究を統合して検討するメタ分析で検討した研究があります。
◎ 10~22歳の学生における自己制御とインターネット依存の関係について過去の研究結果を総合する
◎両者の関連に影響を与える要因を特定する
特に, 文化的背景,年齢,性別,インターネット依存の測定方法,出版年によって関連の大きさが変わるかどうかを検討する研究です。こちらの論文を見てみましょう(The Relationship Between Self-Control and Internet Addiction Among Students: A Meta-Analysis)。
ここから先は
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?