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授業中に聞こえる咳の音と効果的な教え方
集まりで話している最中に咳が聞こえだしたら,壇上にいる人は気をつけた方が良いかもしれません。
テキサス大学のペネベーカーは若い頃,咳に関する論文を書いています(Perceptual and environmental determinants of coughing)。
「ゴホン」「コホン」という音がする咳は,誰もが観察できる(音が明瞭な)行動です。録音した音声でも,比較的容易に判別できるのではないでしょうか。
ペネベーカーは大学の学部の講義(教室にいたのは40から210人)で,学生の咳を数えていきました。すると29パーセントの学生が,講義中に1回以上,咳をしていたそうです。また季節による咳の回数の変動もあったようで,4月より2月の方が3倍ほど多かったそうです。アメリカの大学では4月は学年末ですので,学期中のほうが咳が多い傾向があったということです。
どうやら,授業中の咳は伝染するようです。教室にいる人数が多くなるほど咳の回数が多くなり,他の人の咳の音がした後では咳をする確率が高くなること,咳をする人が近くにいるほど咳をする傾向にあることなどが明らかにされています。
そして授業をする人にとっては重要なことなのですが,咳の回数が少ない講義ほど,授業をした講師の評価が高かったのです。もっとも評価が高い教員の授業では,咳の回数ももっとも少ないことが報告されました。
授業中の咳は,学生が「つまらない」「意味がない」と思うときに出る傾向にあるようです。学期末に,少人数の教室で咳が聞こえるようになったら気をつけましょう。
成績に影響する要因
できれば授業中に多くの咳の音が聞こえてこないような,生徒や学生たちに効果的な教え方を考えたいものです。そこで役立つのが,こういう研究かもしれません。
ニュージーランドのオークランド大学元教授のジョン・ハッティは,メタ分析という統計手法を使って,どのような教え方が学業成績を高めることに効果があるのかのリストを作成しています。
ジョン・ハッティのメタ分析は日本語の書籍になっているようです。
(ただし,すべての要因を説明しているわけではないようです)
何が効果的なのか
ハッティの分析によると,成績に影響する上位の要因は何なのでしょうか。上位のものから見ていきましょう。
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