ナルシストは皮肉を言いやすいのか
みなさんは自分が「怒りっぽい」と思いますか?
怒りやすい人にはいくつかの特徴があることが,これまでの研究からも明らかにされています。たとえば,報酬が与えられることに強く反応しやすいとか,将来に対して意外と楽観的な判断をしたりとか,自分の認知能力を過大評価するとか,そんな研究結果もあるようです。
また,敵意に関連するさまざまなバイアス(認知的な歪み)もあることが報告されています。人間関係の中で曖昧な状況があると,それを「自分に敵意が向けられている」「攻撃されている」「敵対している」と考えやすいということです。
「サーカズム」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。日本語では「皮肉」に近いと思うのですが,アイロニーともちょっと違うようです。相手に対して皮肉をいいながらも,周囲を笑わせる可能性のある言葉に対して「サーカズム」という言葉が当てられているようです。
とはいえこれも,広い意味で用いられることがあれば狭い意味で用いられることもあるようですね。より他者への攻撃も含んでサーカズムという場合も,あるようです。
広い意味で「皮肉のようなもの」と考えてきましょうか。
自己愛と皮肉
自己愛的(ナルシスティック)な人物は,攻撃性が高く怒りも抱きやすいことがわかっています。ということは,皮肉(サーカズム)もよく使うのでしょうか?
この関連について検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Exploring the Links Between Trait Anger, Self-Reported Sarcasm Use, and Narcissism)。
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