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ugto310
どこかに所属したい気持ちとノスタルジア
昔のことを思い出して懐かしい気持ち抱いたり,失われた時間を悲しく思ったりする,複雑な感情を喚起する要素の一つが,ノスタルジア(nostalgia)と呼ばれる現象です。
ノスタルジアには,家族やパートナー,友人など親しい人々との意味のある交流が含まれることが多いそうです。確かに,私自身も,子どもたちが小さい頃の様子を写真や動画で見ると,明らかにノスタルジックな感覚が生まれてきます(年をとってきた証拠でしょうか)。
その一方で,ノスタルジアは感情的な不安定さや抑うつ的な感情につながることも報告されています。過去に夢中になったり,現在に不安を抱いたり,未来を恐れたりすることがノスタルジアに関連するという考え方です。
果たして,ノスタルジックな感覚というのは,人間関係を反映する社会的なものなのでしょうか,それとも,ネガティブな感情を喚起する不適応的なものなのでしょうか。
不適応なのかどうなのか
そんな,ノスタルジアの特徴について検討した研究がありますので見てみましょう。この論文です(Individual differences in nostalgia proneness: The integrating role of the need to belong)。
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