愛の三角形は年齢で変わっていくのか
心理学者スターンバーグは,愛情を3つの要素で捉えるという,愛の三角理論というものを提唱しました。
3つの要素は,情熱,親密さ,コミットメントです。
この3つを頂点として三角形を描く,というのがこの理論のポイントです。望ましい愛の形は正三角形に近づいた状態で,バランスの崩れはそれぞれ特徴的な愛の形を表す,といったイメージで捉えるとよいと思います。
日本語版のWikipediaにも項目があるのですが,たぶん英語版を見た方が詳しくてよいのでは……と思えてきます。
三角形
スターンバーグといえば,知能の鼎立理論(三頭理論)ということでも知られています。これは,人間の知能が分析知能,創造知能,実践知能という3つの要素からなっているという理論です。知能の多次元性を表す理論として,心理学関連の試験なんかにもよく出てくるのではないでしょうか。
……それにしても,愛にしても知能にしても,スターンバーグって三角形が好きなのかな……と,以前から思っていたのでした。
愛の三要素の変化
さて,愛の3つの要素は,年齢とともに変化していくものなのでしょうか。若い頃は情熱が優先されそうですし,年齢を重ねていくとだんだんと穏やかな感じになっていくなど,年齢に伴って変化していくのではないかなと,なんとなくイメージされるのではないでしょうか。
そこで,12歳から88歳までという広い年代で,愛の三要素の平均値が年齢に伴ってどのように変化していくのかを検討した研究を見てみたいと思います。この論文です(Perceptions of love across the lifespan: Differences in passion, intimacy, and commitment)。
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