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社会的機能はパーソナリティ障害をどれくらい反映するか

臨床場面では,パーソナリティ障害の程度を簡単に測定することが求められているそうです。

とはいえ,パーソナリティの問題は多岐にわたるので,自分自身で質問票に回答したとしても,非常に長い時間がかかります。日本でも,このパーソナリティ障害の構造化面接法は使われることがあるのでしょうか。これも時間がかかりそうです。

これも日本語版が存在するのかどうかよく知らないのですが,Personality Inventory for DSM-5(PID-5)と呼ばれる尺度もあります。フルバージョンは220項目で,こちらの研究で作成されている短縮版でも100項目あるようです。


社会機能不全

社会的な機能がうまくいかなくなることは,パーソナリティに密接にかかわると考えられるそうです。とはいえ,多くの精神的・身体的な問題が,社会的な機能の問題につながるとも言えます。

社会的機能質問票(SFQ)と呼ばれる,8項目の簡易な尺度があります。もしもこの尺度を用いて,パーソナリティ障害の問題が生じているかどうかを判定することができれば,臨床面でも非常に効率化を図ることができそうです。とはいえ,そんなことは実際に可能なのでしょうか。社会的な機能障害を測定する尺度がパーソナリティ障害の判別に使えるかどうかを検討した研究がありますので,この論文を見てみましょう(Is social function a good proxy measure of personality disorder?)。

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