ボーダーラインとビッグファイブ
ボーダーラインと呼ばれるパーソナリティ障害があります。境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder)というのが正式な名称です。
DSM-5にもこの障害については記載されていて,次のような特徴のうち5つ以上あてはまることが診断の基準となります。広く,人間関係や自己意識,感情の不安定さや衝動性を特徴とする内容になっています。
パーソナリティ
Personality Disorderと書かれているように,パーソナリティに関連する問題だとされています。では,問題のないパーソナリティと,境界性パーソナリティ障害とはどのように連続していて,どのように違うのでしょうか。
DSM-5には10種類のパーソナリティ障害が示されています。大きくABCの3つに分けられていて,A群(奇妙で風変わりな様子が特徴)には妄想性,シゾイド,統合失調型の3つ,B群(演技的,感情的,不安定)には反社会性,境界性,演技性,自己愛性の4つ,C群(不安や恐れ)には回避性,依存性,強迫性の3つが含まれています。
そして,これらのパーソナリティ障害は,通常の範囲のパーソナリティとして研究されている,ビッグ・ファイブ・パーソナリティとも対応することが示されています。
境界性パーソナリティ障害とビッグ・ファイブ・パーソナリティ
では,境界性パーソナリティ障害とビッグ・ファイブ・パーソナリティとは,どのような対応関係を示すのでしょうか。ふたごのデータを用いて,境界性パーソナリティ障害の傾向(病理ではない範囲も含んだもの)が,どれくらい遺伝の影響を受けているのか,またビッグ・ファイブ・パーソナリティとの関連がどのようになっているのかを検討した研究があります。この論文を見てみましょう(Borderline personality disorder traits and their relationship with dimensions of normative personality: a web-based cohort and twin study)。
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